米国:2022年退役予定の発電設備のうち石炭火力発電所が85%を占める

掲載日:2022年1月20日

米国エネルギー情報局(EIA)は、1月11日、米国で2022年中に14.9GWの発電設備容量が退役する予定で、そのうち石炭火力が85%で12.6GW、次いで天然ガス火力が8%で1.2GW、原子力が5%で0.8GWと発表した。

2015年から2020年にかけて、米国の石炭火力発電設備は年平均11.0GWと大幅に退役したが、2021年は4.6GWに鈍化した。しかし、今年は再び石炭火力発電設備の退役が増えると予想され、2021年末に稼働していた石炭火力発電設備容量の6%にあたる12.6GWが退役する予定である。米国で稼働中の石炭発電所のほとんどが、1970年代から1980年代に建設されたもので、老朽化し、天然ガスや再生可能エネルギーとの競争が激化するにつれ、退役している。今年退役が予定されている最大の石炭発電所は、オハイオ州の1,305MWのWilliam H. Zimmer発電所である。また、メリーランド州のMorgantown発電所は、6月に石炭火力2基で1,205MW、9月に小型石油火力6基のうち2基が退役する予定である。

今年退役予定の天然ガス火力発電設備は、古い蒸気タービン設備と燃焼タービン設備で構成されており、新しいコンバインドサイクル設備の多くよりも効率が低く、小型である。退役予定の最大の天然ガス発電所は、ミズーリ州のMeramec発電所で、4基の発電ユニットを持ち、もとは石炭火力発電所であったが、2016年に同発電所の発電機2基を天然ガス使用に転換した。これらのユニットと、同発電所の2基の石炭火力ユニットは、2022年12月に退役する予定である。

また、退役する原子力発電所は、ミシガン州のPalisades原子力発電所1基であるが、稼働中の米国の原子力発電設備の1%未満である。同発電所の退役は、歴史的に低い天然ガス価格、限られた電力需要の伸び、再生可能エネルギーとの競争激化の結果である。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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