中国:石炭企業による水素製造が進展。「グリーン水素」への移行期との位置づけ

掲載日:2022年2月17日

2月9日付の現地報道では、中国企業による水素産業への進出状況を紹介している。

中国では、石炭が主な水素製造源となっており、水素生産総量の60%以上を占めている。そのため、石炭企業が水素エネルギー業界に進出する最大の優位性は、水素製造における原材料の豊富さと技術の成熟度であると言われている。

特に水素エネルギー産業への進出が早かった国家能源集団は基礎的な全国水素エネルギープロジェクトを立ち上げた。一例として、江蘇省如皋市の水素ステーションは、国内初の行政審査の元、完全に市場化開発された国際基準の水素ステーションである。また、1月24日には河北省張家口市のガソリン・水素・電気の総合エネルギーステーションが正式に稼働し、ガソリン・水素の供給と充電が一体化され、冬季オリンピックのための水素提供に貢献した。

地方の石炭企業の取組みとして、山西省の美錦能源は、既に広東省の仏山市、雲浮市や、山西省の太原市、晋中市などの地区で水素ステーションを8ヵ所建設し、2021年に水素自動車を357台販売した。

また、山東能源集団は水素の製造・貯蔵、水素を活用した産業チェーンを積極的に展開し、風力発電、太陽光発電、水素エネルギーによる「新エネルギー業界クラスター」の構築を計画している。

中国工程院の衣宝廉氏によると、「水素エネルギーは、化石エネルギーから再生可能エネルギーへの移行に至る架け橋であり、石炭による水素製造は、徐々に再生可能エネルギー由来の『グリーン水素』に代替される」と述べている。

北京の低炭素クリーンエネルギー研究院の何広利氏によると、現時点では、CO2処理技術を通じて石炭による水素製造時の炭素排出を解決する方法があり、モデルプロジェクトが既に建設されているが、コストが比較的高いため、大規模な普及には政策的な支援が必要であるとしている。

(北京事務所 塚田 裕之)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

レポート一覧

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償配布されているAdobe Readerプラグインが必要です。

ページの先頭へ