ポーランド:チェコとTurow炭鉱の紛争を終わらせるための協定に合意

掲載日:2022年2月17日

2月3日の現地報道によると、チェコとポーランドの両首脳は3日、ポーランドのTurow露天掘り炭鉱の拡張をめぐり、EUの最高裁判所で争われた長年の紛争を終わらせるための協定に合意した。ポーランドのMateusz Morawiecki首相とチェコのPetr Fiala首相がプラハで署名したこの合意は、隣国同士の関係を損ね、石炭の環境コストについて疑問を投げかけたEU加盟国間の稀な法廷闘争に終止符を打つものである。

チェコ政府によると、Turow炭鉱はチェコの近隣の村の地下水を吸い上げており、1年前、ポーランドが国営電力グループPGEに巨大な褐炭炭鉱の操業拡大を許可したことで二国間協議が難航したため、法的手段に訴えていた。EUの最高裁判所にあたる司法裁判所(European Court of Justice)は、2021年5月、ポーランドに対し、チェコの異議申し立てに対する結果が出るまで採掘を中止するよう命じ、その後、中止しなかった場合は1日当たりの罰金を科す、とした。

ポーランド政府は、法の支配をめぐってEUとすでに係争中であり、チェコの訴えを終わらせるべく、さらなる二国間協議を求めている。3日に合意された協定では、チェコは、インフラの改善とその他の環境保護措置及び保証に対する4,500万ユーロの賠償金と引き換えに、法的訴えを取り下げることになっている。チェコのFiala首相は、ポーランドのMorawiecki首相との共同記者会見で、建設中の地下バリアが水源を保護する働きをする保証を得たと述べた。また、この協定は5年間続くという。

しかし、環境保護団体や市民団体は、この協定に疑問を呈しており、グリーンピースは、採掘に何の制限も設けず、計画中の地下壁が効果的かどうか疑問だと述べた。チェコ環境省は、壁の建設が終了するまで結論を出すことはできないとしている。Fiala首相は、この合意は、Turow炭鉱の影響を受ける地域社会に間違いなく利点と利益と結果をもたらす、と述べている。

この発表に先立ち、3日に欧州司法裁判所の顧問は、ポーランドが環境への影響を評価せずにTurow炭鉱を延命させたことはEU法に違反すると指摘した。

なお、ポーランドは、EU司法裁判所からのTurow炭鉱の操業停止命令応じなかったとして2021年9月に、1日あたり50万ユーロの支払いを命じられ、現在その合計額は6,800万ユーロを超えているが、支払いを拒否している。Morawiecki首相は3日、政府はさまざまな法的措置を検討していると述べた。

(石炭開発部 奥園 昭彦)

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