インドネシア:Adaro Energy社、 欧州に向けて約30万トンの石炭を出荷

掲載日:2022年4月28日

4月19日付の地元メディアによると、インドネシアの石炭採掘大手Adaro Energy Indonesiaは、欧州がロシア産の石炭禁輸に踏み切る中、総量約30万トンの石炭を積載した運搬船3隻がスペインやオランダ等の欧州諸国に向けて出航したと発表した。

同社取締役Lie 氏によると、欧州需要家からの引き合いは少しずつ増加しているものの、長期的な調達にかかる契約は今のところ取り付けていないとのことである。

一方、同社は、2021年の石炭生産量が5,270万トンであったのに対し、2022年は5,800万~6,000万トンに設定し、生産量を増やす計画である。

同社CEOのGaribaldi 氏は「欧州からの需要が高まりつつあるが、既存のアジア市場への供給に重点を置く」と述べている。

インドネシア石炭鉱業協会(ICMA)の会長Pandju氏 によれば、欧米諸国のロシアへの経済制裁に伴い、欧州石炭市場は需要が見込めるが、採掘事業者が政府の規制を受けるなか、石炭の主要輸出国であるインドネシアであっても、欧州の石炭需要を満たすことは難しいという。

また、欧州市場では主に中・高品位炭が求められているのに対し、インドネシアの事業者は低品位炭を生産しているところがほとんどである。 また、インドネシア炭の欧州向けの運賃は、他の供給国に対し、競争力がないと考えられている。

インドネシア政府も、2022年初めに石炭在庫量が危機的状況になってからは、特に発電所部門の国内石炭需要を満たすために、採掘事業者に対する監視を強化している。インドネシアは、世界最大の発電用石炭の輸出国だが、2022年1月、国内の電力を安定的に確保するため、石炭の輸出を一時的に禁止していた。

更に、発電用石炭の国際価格高騰を受け、同国は国家歳入を増やすため、事業者に対する石炭のロイヤルティー料率を引き上げている。

同国のJoko大統領は先週、石炭の輸出関税に関する新しい政府規則に署名し、事業者から徴収するロイヤルティー料率を、13.5%の現行水準から、政府が設定した石炭基準価格に応じて14~28%としている。

(石炭開発部 佐藤 譲)

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