インドネシア: 国内製造業向け、1トン当たり90ドルでの石炭割当政策は十分に実施されていない

掲載日:2022年6月30日

6月23日付の地元メディアによると、インドネシア政府が国内の石炭採掘事業者に対して、国内製造業向けに1トン当たり90USDの特別価格での石炭割り当てを求めている政策は、十分に実現されていない。

インドネシアの大手セメント会社INTP(PT Indocement Tunggal Prakarsa)幹部は、22日、ニュースポータルサイトに対して、「INTPを含め、この(特別石炭)DMO価格で受け取っていない(製造)企業がまだある」と述べた。

政府の石炭国内供給義務(DMO)政策では、国内の石炭採掘業者は年間生産量の少なくとも25%を電力会社や製造業を含む国内市場に割り当てることが義務付けられている。

この政策の一環として、電力セクター向けの石炭価格は1トン当たり70ドル、製造業向けの石炭価格は1トン当たり90ドルに石炭価格の上限が設定されており、これは現在1トン当たり400ドル前後で推移している国際石炭価格よりもはるかに低い水準となっている。

製造業向けの石炭特別価格は、当初セメントと肥料産業に限られていたが、エネルギー・鉱物資源省は2022年3月に新たな省令を出し、石炭特別価格政策を製錬所を除く他の産業にも拡大することを決定した。

同幹部は、国内の石炭産業関係者に、ビジネス上の利益よりも「ナショナリズムと共感」を優先させるよう強く促した。

一方、工業省セメント・セラミックス・非金属加工産業長官は、国内製造業向けの石炭特別価格政策の実施が困難であったことを認めている。

同長官は、石炭を生産するコストが特別価格より高いことや一部の石炭採掘業者の国内販売量がすでにDMOの割当量に達していることなど、石炭特別価格政策の実施にはいくつかの障害があることを指摘した。また、一部の石炭採掘業者が産業用石炭の消費者からの特別価格の要求に応じないケースや、石炭の仕様が製造業の要求とマッチしないケースもあるという。

エネルギー・鉱物資源省によると、2022年の国内セメント産業の石炭消費量は1,502万トン、肥料産業は146万トン、繊維産業100万トン、製紙産業140万トン、化学産業163万トン、石炭川下産業では70万トンと予測している。

(石炭開発部 佐藤 譲)

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