カナダ:カナダ最高裁、Grassy Mountain原料炭プロジェクトに関するBenga Mining社の訴えを却下

掲載日:2022年10月13日

 9月29日付の地元メディアによると、カナダ最高裁は29日、AB州Grassy Mountain原料炭プロジェクトを却下とした連邦・州当局の合同審査に対する、Benga Mining社の申し立てを棄却する判断を下した。豪Riversdale Resources社の子会社であるBenga Mining社はAB州南西部で同プロジェクトを進めていたが、連邦・州当局の合同審査委員会が河川へのセレン流出可能性や生態系への影響、地元先住民族の文化・物理的遺産に対する影響の低減策が十分に提案されていないとする報告書を提出、これを受けて2021年8月に連邦政府は同プロジェクトの許認可を発行しないことを決定した。これを不服として、同社と先住民2団体がAB州控訴裁判所に提訴し棄却されたのち、最高裁に上告していた。

 AB州政府は2020年に、1976年以降、同州の石炭探鉱・開発を規制してきた石炭政策を撤廃するも、州民からの批判を受けてこれを撤回し、ロッキー山脈の一部における石炭開発および探査活動を当面の間禁止することを発表した。

 加Cabin Ridge Holdings社と事業会社のCabin Ridge Project社の両社は、開発を進めるCabin Ridge原料炭プロジェクトに関してAB州政府に対し法的手続きを開始したほか、豪Atrum Coal社とその子会社のElan Coal社はElan原料炭プロジェクトについて、事業価値損失および株主に対する損害賠償として35億カナダドル以上をAB州政府に対し要求する手続きを進めていることが報じられている。

(バンクーバー事務所 佐藤佑美)

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