カナダ:BC州先住民族、Elk Valley炭鉱からのセレン汚染問題を巡るBC州政府の対応に失望

掲載日:2023年1月12日

11月7日付の地元メディアによると、加Teck Resources社が保有するブリティッシュコロンビア州 (BC州)Elk Valleyの炭鉱から排出されるセレン汚染をめぐり、ファースト・ネーションであるKtunaxa族は、米国との共同調査に参加するよう連邦政府に働きかけを行っていた。一方、公開された情報によると、BC州は水面下で連邦政府に対し、共同調査委員会に参加しないよう働きかけていたことが判明した。また、連邦政府は、4月、委員会に参加しないことをKtunaxa族に伝えていた。

カナダから米モンタナ州(MT州)Lake Koocanusa貯水池にセレンが流入、さらにアイダホ州流域に流れ込み、再びBC州にセレンが流入している。BC州はすでにMT州と協力を行っているため、委員会は必要ないとBC州は主張している。

Teck社には2021年、漁業法に基づき過去最大の罰金となる6,000万カナダドルが課されていた。またセレン汚染を削減するため、Teck社はすでに3つの水処理施設のために12億カナダドルを出資しており、さらに今後2年間で7.5億カナダドルを投資する予定である。またMT州Lake Koocanusaのセレン濃度は2012年以来安定しているとの声明を出している。また本件を共同委員会に付託することは、大規模拡張プロジェクトの許認可遅延に繋がりかねないとの書簡を、Teck社は連邦政府に送付していることも分かった。

(バンクーバー事務所 佐藤佑美)

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