インドネシア : 石炭採掘事業者に対する石炭輸出料の徴収を延期

掲載日:2023年3月30日

3月21日付の地元メディアによると、石炭採掘事業者に対する石炭輸出料の徴収と国内発電所への石炭販売価格補助のための再分配は、当初の予定である2023年3月から延期されることになった。

インドネシア政府は、石炭基金を利用して、市場価格よりはるかに低い価格で国内の電力会社に石炭を販売する石炭採掘事業者に対して補助金を支給しようとしている。 政府は、国内の電力会社向けの石炭価格の上限を、足元のスポット価格では1トンあたり200ドルを下回っているものの、石炭指標価格(HBA)は依然として1トンあたり250ドルを超えているのに対して、1トンあたり70ドルに設定している。 また、石炭基金は、国内のセメントや肥料産業向けの石炭の販売にも拡大していくことが提案されており、それらの産業での石炭価格の上限は1トンあたり90ドルとなっている。

石炭補償基金政策は、国内の石炭採掘事業者が年間生産量の25%を国内市場に供給する義務(国内供給義務:DMO)があるにもかかわらず、輸出販売価格がはるかに高いことにより石炭輸出を優先するために、国内の電力会社が経験した石炭不足の再発を防ぐことを目的として作られた。 これまで、石炭採掘事業者は、DMO割当量を満たせなかった場合のペナルティを進んで支払っていた。

また、地元経済誌によると、政府はBRI、Mandiri、BNIの3つの国営銀行に基金の徴収と再分配を委託しており、その金額は約137兆ルピア(約90.8億米ドル)に達するとみられる。

(石炭開発部 佐藤 譲)

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