インドネシア:インドネシア政府、石炭指標価格を決定するため算定式を正式に改定
掲載日:2023年3月30日
3月8日付の地元メディアによると、エネルギー・鉱物資源省(ESDM)は、インドネシア産一般炭に関する石炭指標価格(HBA)を決定するための算定式を正式に改定した。ESDMの鉱物・石炭ガバナンス促進担当特別スタッフであるIrwandy氏によると、HBAの算定式自体の評価は、事業関係者からの要望を考慮して行われたとのことである。
従来の月次HBAは、前月のIndonesia Coal Index(ICI)、Newcastle Export Index(NEX)、Globalcoal(GCNC)、Platts 5900という4つの国際石炭価格指数の平均値に基づいて決定されていた。インドネシア石炭鉱業者協会(ICMA)は、これらHBAを形成する指数間の格差が拡大しているため、HBAの算定式を見直すよう政府に要請していた。
インドネシアの石炭会社の多くは、実際は、ICIを基準に石炭を輸出販売しているが、石炭価格が高騰して以来、ICIとロイヤルティ支払額の基準となるHBAとの間に価格差が生じ、以前の算定方式に基づくHBAを基準にすると「高い」ロイヤリティを支払わなければならなかった。HBAの新たな算定式では、国際石炭価格指数の平均値は使用せず、カロリー別の輸出時の石炭販売実績(具体的には平均石炭販売価格)に基づき指標価格の是正を図っている。
新しい算定式は、熱量別に3つに区分され、前月の平均石炭販売価格に70%をかけた値と前々月の平均石炭販売価格に30%をかけた値を足し合わせたものである(ESDMには鉱山企業から石炭の販売実績に関するデータが提出されている)。石炭コモディティ販売のための基準価格決定指針に関するエネルギー鉱物資源大臣決定(41.K/MB.01/MEM.B/2023号)に基づくと、新しい算定式は以下の通りである。
1つ目のHBAの計算式(発熱量6,322kcal/kg GAR、全水分12.58%、全硫黄0.71%、灰分7.58%):HBA = (0.7*Pm) + (0.3*Pm-1) (米ドル/トン)
※Pmは前月の発熱量6,200-6,400 kcal/kg GARの平均石炭販売価格 (米ドル/トン)を表す。
Pm-1は前々月の発熱量6,200-6,400 kcal/kg GARの平均石炭販売価格 (米ドル/トン)を表す。
2つ目のHBAの計算式(発熱量5,200kcal/kg GAR、全水分23.12%、全総黄0.69%、灰分6%):HBA1 = (0.7*Pm) + (0.3*Pm-1) (米ドル/トン)
※Pmは前月の発熱量5,100-5,300 kcal/kg GARの平均石炭販売価格 (米ドル/トン)を表す 。
Pm-1は前々月の熱量5,100-5,300 kcal/kg GARの平均石炭販売価格 (米ドル/トン)を 表す。
3つ目のHBAの計算式(発熱量4,200kcal/kgGAR、全水分35.29%、全硫黄0.2%、灰分4.21%):HBA2= (0.7*Pm) + (0.3*Pm-1) (米ドル/トン)
※Pmは、前月の発熱量4,100-4,300kcal/kg GARの平均石炭輸出価格(米ドル/トン)を表す。
Pm-1は、前々月の発熱量4,100-4,300kcal/kgGARの平均石炭輸出価格(米ドル/トン)を表す。
また、炭鉱毎の個別の石炭基準価格(HPB)は、算定したHBAに基づいて、発熱量毎に4つに区分(HBA:発熱量>6,000、HBA1:発熱量>5,200-6,000、HBA2:発熱量>4,200-5,200、発熱量≦4,200)し、全水分、全硫黄、灰分の比例計算式にて決定される。
従来の月次HBAは、前月のIndonesia Coal Index(ICI)、Newcastle Export Index(NEX)、Globalcoal(GCNC)、Platts 5900という4つの国際石炭価格指数の平均値に基づいて決定されていた。インドネシア石炭鉱業者協会(ICMA)は、これらHBAを形成する指数間の格差が拡大しているため、HBAの算定式を見直すよう政府に要請していた。
インドネシアの石炭会社の多くは、実際は、ICIを基準に石炭を輸出販売しているが、石炭価格が高騰して以来、ICIとロイヤルティ支払額の基準となるHBAとの間に価格差が生じ、以前の算定方式に基づくHBAを基準にすると「高い」ロイヤリティを支払わなければならなかった。HBAの新たな算定式では、国際石炭価格指数の平均値は使用せず、カロリー別の輸出時の石炭販売実績(具体的には平均石炭販売価格)に基づき指標価格の是正を図っている。
新しい算定式は、熱量別に3つに区分され、前月の平均石炭販売価格に70%をかけた値と前々月の平均石炭販売価格に30%をかけた値を足し合わせたものである(ESDMには鉱山企業から石炭の販売実績に関するデータが提出されている)。石炭コモディティ販売のための基準価格決定指針に関するエネルギー鉱物資源大臣決定(41.K/MB.01/MEM.B/2023号)に基づくと、新しい算定式は以下の通りである。
1つ目のHBAの計算式(発熱量6,322kcal/kg GAR、全水分12.58%、全硫黄0.71%、灰分7.58%):HBA = (0.7*Pm) + (0.3*Pm-1) (米ドル/トン)
※Pmは前月の発熱量6,200-6,400 kcal/kg GARの平均石炭販売価格 (米ドル/トン)を表す。
Pm-1は前々月の発熱量6,200-6,400 kcal/kg GARの平均石炭販売価格 (米ドル/トン)を表す。
2つ目のHBAの計算式(発熱量5,200kcal/kg GAR、全水分23.12%、全総黄0.69%、灰分6%):HBA1 = (0.7*Pm) + (0.3*Pm-1) (米ドル/トン)
※Pmは前月の発熱量5,100-5,300 kcal/kg GARの平均石炭販売価格 (米ドル/トン)を表す 。
Pm-1は前々月の熱量5,100-5,300 kcal/kg GARの平均石炭販売価格 (米ドル/トン)を 表す。
3つ目のHBAの計算式(発熱量4,200kcal/kgGAR、全水分35.29%、全硫黄0.2%、灰分4.21%):HBA2= (0.7*Pm) + (0.3*Pm-1) (米ドル/トン)
※Pmは、前月の発熱量4,100-4,300kcal/kg GARの平均石炭輸出価格(米ドル/トン)を表す。
Pm-1は、前々月の発熱量4,100-4,300kcal/kgGARの平均石炭輸出価格(米ドル/トン)を表す。
また、炭鉱毎の個別の石炭基準価格(HPB)は、算定したHBAに基づいて、発熱量毎に4つに区分(HBA:発熱量>6,000、HBA1:発熱量>5,200-6,000、HBA2:発熱量>4,200-5,200、発熱量≦4,200)し、全水分、全硫黄、灰分の比例計算式にて決定される。
(石炭開発部 佐藤 譲)
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