米国: EPA、石炭火力発電所からの廃水に関する規制を厳格化

掲載日:2023年4月21日

3月9日付のメディアによると、EPA(Environmental Protection Agency: 米国環境保護庁)は3月8日、石炭火力発電所からの廃水の量に関する規制を厳格化することを明らかにした。この新たな規則に違反した場合には、当該施設の閉鎖か、もしくは天然ガスへの移行を余儀なくされることになる。

EPAのマイケル・リーガン(Michael Legan)長官は、この規則は連邦政府がかつて定めてきた石炭火力発電所からの廃水規制としては、史上最も厳格なものであると述べた。これにより、石炭火力発電所には廃水を近隣の河川等に放出する前に、ヒ素、水銀及びセレンといった毒性の高い金属をより徹底的に除去することが求められることになる。依って、同規則では使用すべき技術は指定されていないが、事業者は汚染防止機器の改善に取り組まざるを得なくなると考えられる。

EPA当局者は、この新しい規則によって石炭火力発電所からの廃水に含まれる汚染物質は年間約5億8,400万ポンド(29万2千トン)低減するとし、同時に一般家庭が支払う光熱費は年間63セント程度上昇するだろうとの見方を示している。また、この規則では、石炭火力発電事業者が廃水処理の改善をできない場合でも、2028年までは同施設の稼働が継続可能となる猶予を与えている。

バイデン政権は2024年に最終規則の公布を予定している。

(ワシントン事務所 三田部 真理)

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