米国:グレンコア社がテック社に石炭事業の買収を打診
掲載日:2023年7月7日
6月12日付の米国メディアによると、スイス鉱山・貿易大手のGlencore社(以下、グレンコア)は、当初目指していたカナダ鉱山会社のTeck Resources社(以下、テック)の完全な買収ではなく、テックの石炭資産のみを買収する方針に切り替えた。グレンコアはテックを完全に買収するという選択肢を残しつつも、仮にテックが売却を検討する資産が石炭事業のみである場合には、それに応じることを検討している。
当初、グレンコアはテックに対し、230億米ドルでの買収案を提示していた。テックは同提案を拒否し、情報筋によるとその後テックは買収価格の引き上げ、石炭事業の売却のいずれについても交渉していない。
今年4月、グレンコアはテックの石炭事業に82億米ドルの評価をし、同資産を買収した上で自社の石炭事業を併せ独立企業として上場させる計画を立てた。グレンコアはテックとの買収によって銅、コバルト、亜鉛といった、クリーンエネルギーへの移行に不可欠な金属の市場において主要なサプライヤーとなることを目指している。
これに対しテックはグレンコアの提案を拒否した後、自社の石炭事業を独立企業とする提案を株主投票にかけた。だがアナリストの予想に反し、投資家は石炭事業のスピンオフではなく、グレンコアもしくはそれ以外の企業からの、より有利な買収提案を受け入れることを支持した。
政府や投資家、そして消費者からの温室効果ガス排出量の削減への取り組みを求める圧力を受け、大手鉱山企業の多くは既に石炭事業を売却済みか、もしくは売却を検討している。これまでのところグレンコアは、石炭事業を2050年までは継続させる考えを示しており、もし大半の株主の支持を得られた場合には、当該事業を独立させるとしている。
当初、グレンコアはテックに対し、230億米ドルでの買収案を提示していた。テックは同提案を拒否し、情報筋によるとその後テックは買収価格の引き上げ、石炭事業の売却のいずれについても交渉していない。
今年4月、グレンコアはテックの石炭事業に82億米ドルの評価をし、同資産を買収した上で自社の石炭事業を併せ独立企業として上場させる計画を立てた。グレンコアはテックとの買収によって銅、コバルト、亜鉛といった、クリーンエネルギーへの移行に不可欠な金属の市場において主要なサプライヤーとなることを目指している。
これに対しテックはグレンコアの提案を拒否した後、自社の石炭事業を独立企業とする提案を株主投票にかけた。だがアナリストの予想に反し、投資家は石炭事業のスピンオフではなく、グレンコアもしくはそれ以外の企業からの、より有利な買収提案を受け入れることを支持した。
政府や投資家、そして消費者からの温室効果ガス排出量の削減への取り組みを求める圧力を受け、大手鉱山企業の多くは既に石炭事業を売却済みか、もしくは売却を検討している。これまでのところグレンコアは、石炭事業を2050年までは継続させる考えを示しており、もし大半の株主の支持を得られた場合には、当該事業を独立させるとしている。
(ワシントン事務所 三田部 真理)
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。