米国:EIA短期エネルギー見通し: 2023年7月分(石炭)
掲載日:2023年7月28日
7月11日、米国エネルギー省エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration: EIA)が月例の短期エネルギー見通し(Short Term Energy Outlook: STEO)を発表した。7月公表のSTEOにおける米国の石炭に係る主な見通しの概要は以下の通りである。
米国の発電について、これまでのところ、2023年の米国の新規発電容量の主要な電源は太陽光であり、今夏(6-8月)の太陽光発電容量は、昨夏に比べて23%増加すると見込んでいる。太陽光発電容量の増加と天然ガス価格の低下により、今年の石炭火力発電も減少すると予測される。2023 年下半期の米国の石炭火力発電量は 2022 年下半期より 750 億キロワット時(18%減) 減少すると見込まれる(図1参照)。
石炭発電量のほとんどは、天然ガス火力発電、太陽光発電、風力発電によって置き換えられ、特に電力部門は太陽光発電容量を急速に拡大している。2022年6月から2023年6月までの間に16ギガワット(25%増)の発電容量を新たに追加し、風力発電容量も8ギガワット(6%増)ほど追加している。

出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook July 2023」
図1 米国のエネルギー源別発電量
石炭市場については、石炭在庫は2023年上半期終了時点で2022年末と比較し53%増加すると推定される。昨年末、石炭消費量において、電力部門が米国の石炭在庫全体の約80%を占め、2023 年上半期の石炭消費量は 22 年上半期に比べて27% 減少したが、米国の石炭生産量は変わらないため、石炭在庫が蓄積するであろう。
2024 年の電力部門の石炭消費量は 2023 年よりも約 4% 減少すると予想され、米国の石炭消費量の減少は 2024 年には鈍化する見込みである。2023 年の米国の石炭総生産量は、2022 年比で 4% 減少(5億7,000万ショートトン)、2024 年には石炭生産を安定的に供給する売買契約の期限が切れるため、石炭生産量は 20% (4億6,000万ショートトン)さらに急激に減少すると予測する(図2参照)。

出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook July 2023」
図2 米国の四半期ごとの石炭の消費量・供給量・備蓄量
米国の発電について、これまでのところ、2023年の米国の新規発電容量の主要な電源は太陽光であり、今夏(6-8月)の太陽光発電容量は、昨夏に比べて23%増加すると見込んでいる。太陽光発電容量の増加と天然ガス価格の低下により、今年の石炭火力発電も減少すると予測される。2023 年下半期の米国の石炭火力発電量は 2022 年下半期より 750 億キロワット時(18%減) 減少すると見込まれる(図1参照)。
石炭発電量のほとんどは、天然ガス火力発電、太陽光発電、風力発電によって置き換えられ、特に電力部門は太陽光発電容量を急速に拡大している。2022年6月から2023年6月までの間に16ギガワット(25%増)の発電容量を新たに追加し、風力発電容量も8ギガワット(6%増)ほど追加している。
出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook July 2023」
図1 米国のエネルギー源別発電量
石炭市場については、石炭在庫は2023年上半期終了時点で2022年末と比較し53%増加すると推定される。昨年末、石炭消費量において、電力部門が米国の石炭在庫全体の約80%を占め、2023 年上半期の石炭消費量は 22 年上半期に比べて27% 減少したが、米国の石炭生産量は変わらないため、石炭在庫が蓄積するであろう。
2024 年の電力部門の石炭消費量は 2023 年よりも約 4% 減少すると予想され、米国の石炭消費量の減少は 2024 年には鈍化する見込みである。2023 年の米国の石炭総生産量は、2022 年比で 4% 減少(5億7,000万ショートトン)、2024 年には石炭生産を安定的に供給する売買契約の期限が切れるため、石炭生産量は 20% (4億6,000万ショートトン)さらに急激に減少すると予測する(図2参照)。
出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook July 2023」
図2 米国の四半期ごとの石炭の消費量・供給量・備蓄量
(ワシントン事務所 三田部 真理)
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