中国:9月以降、炭鉱に対する安全監督の強化が続く見通し

掲載日:2023年9月8日

8月23日付の地元メディアによると、陝西省延安市応急管理局は8月21日に延安市延川県の新泰炭鉱にてガス爆発事故が起きたと報じた。事故当時坑内で作業中だった90人のうち、11人が軽傷、11人が死亡し当局が事故原因を調べている。

同炭鉱は、2008年5月に坑内掘りとして操業を開始したが、2023年4月には、ガスに関する安全検査を怠るなど21項目の規則違反を指摘され、国家鉱山安全監察局から罰金の支払いと操業の一時停止を命じられた。その後5月に安全対策などの整備改善を行い、延川県応急管理局の検証、国家鉱山安全監察局陝西局の現場での再調査を経て、操業再開が許可されていた。

最近、石炭の主要産地において、炭鉱の安全事故が多発した。8月17日、山西省で落盤事故、18日には同省で生産現場における死亡事故が発生し、8月21日には、陝西省でガス爆発事故が発生した。事故関連炭鉱は全て生産停止および是正措置を受けている。同時に、陝西省と貴州省は重大事故リスクがある一部の炭鉱に生産停止と是正措置を命じる行政処分が執行された。

同国では、9月からは冬期の暖房需要に対応するため、生産拡大を支援するという季節性の特徴を持っており、炭鉱事故が多発し、炭鉱保安検査が強化されると石炭生産量は一時的に減少する傾向にあるが、7月時点での石炭火力発電所の石炭在庫は1.99億トンと依然として高いレベルを維持しており、石炭の輸入量も引き続き高いレベルを推移しているため、冬季のエネルギー安定供給は維持できる見通しである。

(北京事務所 鄭 佳琪)

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