カナダ: カナダTeck Resources社、Glencore、日本製鉄、POSCO社に製鉄用原料炭事業を89億USドルで売却することで合意

掲載日:2023年11月24日

11月14日付の地元メディアによると、カナダTeck Resources(Teck)社は同社の製鉄用石炭事業をGlencoreと日本製鉄、韓国POSCO社に89億USドルで売却することで合意した。

現在、Teck社が有する原料炭事業の4つの炭鉱において、日本製鉄はElkview炭鉱に持分2.5%、POSCO社はElkview炭鉱に持分2.5%およびGreenhills炭鉱に20%の持分を保有し、それ以外はすべてTeck社の持分である。今回の合意では、これら4つの炭鉱をJVとして組成し、新たに設立されるElk Valley Resources社の持分について、Glencoreは持分77%を69億USドルで、日本製鉄は持分20%を17億USドルで、POSCO社は持分3%をそれぞれ取得する。2023年初頭にTeck社が提案した分割案では、石炭事業のロイヤルティを約10年間に亘り譲渡するとなっていたが、今回の提案では明確に分割されることとなった。

Glencoreは以前、Teck社の銅・亜鉛事業を含む全株式を231億USドルで買収することを提案していたものの、Teck社は管轄権や取引の実行リスクなどを理由に買収提案を拒否していた。

Teck社によれば、今回の買収は株主投票を必要としないものの、カナダ投資法に基づく連邦審査が必要となることから、2024年第3四半期までに完了する見込みはないとのことである。なお、買収が成立した場合、Glencoreは最終的には石炭アセットを分離・独立させる計画である。

(バンクーバー事務所 佐藤 佑美)

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