コロンビア:憲法裁判所がロイヤルティ非控除を規定した条項を違憲と判決

掲載日:2023年12月1日

11月16日付け地元メディアによると、憲法裁判所において、Gustavo Petro政権の税制改革第19条に関して数回の審議が行われた後、同裁判所は石炭と石油に係るロイヤルティの非控除は憲法に鑑み執行不能であると宣言した。

政府の計算によると、ロイヤルティの非控除の効果だけで、予定されていた20兆ペソ(49億米ドル)の総税収の内の5兆ペソ(12億米ドル)以上に相当する。2023会計年度に3.3兆ペソ(8億米ドル)、2024年度に2.79兆ペソ(7億米ドル)の税収を見込んでいた。財政規則委員会(CARF)の計算によると、国の税収への影響は約3.8兆ペソ(9億米ドル)となる。ただし、この影響を確認するには、決定全体を分析する必要があると強調している。裁判所の通知には、この条を執行不能とした理由は詳しく記載されていない。

税法第19条に関し財務省は、「国が地下資源および再生不可能な天然資源の所有者であることは絶対に明らかである。ロイヤルティは国の資源であり、再生不可能な天然資源により利益を享受する人々が負担すべき経済的補償である」と述べていた。もともと税法改正の審議中に会計検査院は、「これは課税対象者の納税能力を考慮することを妨げる措置である」として、(ロイヤルティの非控除性について述べた)第19条第1項の削除を求める見解を提出していた。

憲法裁判所の判決が知れ渡るとすぐに様々な反応があり、多くはこれを肯定的に受け取めた。

コロンビア鉱業協会のJuan Camilo Nariño会長は、「この決定により、コロンビア、地域、コミュニティが勝利を収めた。この結果は、利益をもたらし、進歩の機会を生み出す業界の法的安全性を保証することにより、競争力が高まることを意味している」と指摘した。

FenalcarbónのCarlos Cante会長は、これは税制改革によって生じた権利侵害の是正を意味すると説明した。同氏は、「税制改革の審議を通じて、我々は政府と議会の前でその措置の違憲性を主張してきた。今日、憲法裁判所は差し戻し命令により、税制の原則への侵害を是正した」と述べた。

(リマ事務所 初谷 和則)

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