カナダ:Glencore、米株式市場での石炭新会社上場に期待
掲載日:2024年1月12日
2023年11月16日付の地元メディアによると、Glencoreはニューヨーク株式市場で新たな石炭生産企業を上場する準備を進めている。その一歩として、カナダTeck Resources社の製鉄用原料炭事業で過半数以上の権益を獲得する契約を発表、この原料炭事業とGlencoreの一般炭事業を統合し、買収完了後2年以内に新会社を設立して分社化する予定である。同社は2022年、石炭事業で約180億USドルの利益を、またTeck Resources社は約50億USドルの利益を計上している。だが米国の上場炭鉱大手10社を合わせても総利益は85億USドルにも満たないことから、新組織は米国の大手炭鉱企業上位10社よりも大きな利益を創出すると考えられる。
新組織は一般炭の海上貿易の約10%に相当する約1億トン/年の一般炭と、約3,400万トンの原料炭を生産する予定である。インドと中国の同業他社もこれだけの規模の生産を行っているものの、これらの企業はグローバル市場での取引よりも、国内の発電所や製鉄所への供給に重点を置いている。
Glencoreがニューヨーク株式市場を選んだ背景には、欧州の多くの機関が化石燃料等の生産企業を敬遠する一方で、暫くの間は石炭がエナジーミックスの一部を構成するとして、米国の投資家が炭鉱に投資すると賭けていると見られる。同社は炭鉱が枯渇する2050年まで、石炭事業を継続する戦略をとっている。だが炭鉱が枯渇した際の所有者や管理については投資家の見方は変わってきており、投資家の考え方が今後2、3年の間で変わるリスクがある。米国大手金融サービスのアナリストによると、米国株式市場に上場している石炭企業の事業価値は小さいことから、Glencoreの新組織が上場した場合、比較的小規模な石炭セクターを敬遠してきたファンドマネージャーを惹きつけると見ている。
新組織は一般炭の海上貿易の約10%に相当する約1億トン/年の一般炭と、約3,400万トンの原料炭を生産する予定である。インドと中国の同業他社もこれだけの規模の生産を行っているものの、これらの企業はグローバル市場での取引よりも、国内の発電所や製鉄所への供給に重点を置いている。
Glencoreがニューヨーク株式市場を選んだ背景には、欧州の多くの機関が化石燃料等の生産企業を敬遠する一方で、暫くの間は石炭がエナジーミックスの一部を構成するとして、米国の投資家が炭鉱に投資すると賭けていると見られる。同社は炭鉱が枯渇する2050年まで、石炭事業を継続する戦略をとっている。だが炭鉱が枯渇した際の所有者や管理については投資家の見方は変わってきており、投資家の考え方が今後2、3年の間で変わるリスクがある。米国大手金融サービスのアナリストによると、米国株式市場に上場している石炭企業の事業価値は小さいことから、Glencoreの新組織が上場した場合、比較的小規模な石炭セクターを敬遠してきたファンドマネージャーを惹きつけると見ている。
(バンクーバー事務所 佐藤 佑美)
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