欧州:スロバキア、ニトラ北部地域の石炭生産廃止と石炭火力発電所の閉鎖を発表
掲載日:2024年1月19日
2023年12月20日付の欧州のメディアによると、スロバキアは2023年内にニトラ北部地域での石炭生産および石炭火力発電の段階的廃止を完了することを発表した。ニトラ北部地域での段階的廃止は、ペトル・ペレグリーニ前政権下で2018年からすでに始まっていたが、最後に残った発電所は2023年内に閉鎖される予定である。EUはスロバキア同地域での雇用、起業、再生可能エネルギー開発の支援のために2億2,600万ユーロを投じる。
ニトラ北部地域は現在、化石燃料または温室効果ガスを大量排出する産業から脱却し、EUの各地域の社会経済的コストを軽減するための資金提供となる公正移行基金(Just Transition Fund: JFT)からの支援をはじめとする、複数のEU基金の恩恵を受けることができる。
このJFT基金からスロバキアに割り当てられる総額は4億4,000万ユーロで、そのうち2億2,600万ユーロがニトラ北部地域に割り当てられる。EU内の鉱業地域は、同様の支援を申請することができるため、このスロバキアの石炭地域の低炭素化計画は、欧州の他の石炭地域の模範となるものだという。
これまではスロバキアは国内の石炭による電力生産への補助に年間約1億ユーロを費やしていたが、政府アナリストによるスロバキアの脱炭素化のための経済調査では、炭鉱を閉鎖することで、健康、社会、経済面において最大6億500万ユーロの節約に貢献し、最も有益な気候変動対策に位置づけられている。
また、欧州委員会の共同研究センター(Joint Research Centre)の分析によると、ニトラ北部地域だけでなく、スロバキアが計画する2025年までに他の地域にある石炭火力発電所の発電および操業の終了により、CO2排出量は2025年に6.32%、2030年には7.67%の削減が見込まれている。
ニトラ北部地域は現在、化石燃料または温室効果ガスを大量排出する産業から脱却し、EUの各地域の社会経済的コストを軽減するための資金提供となる公正移行基金(Just Transition Fund: JFT)からの支援をはじめとする、複数のEU基金の恩恵を受けることができる。
このJFT基金からスロバキアに割り当てられる総額は4億4,000万ユーロで、そのうち2億2,600万ユーロがニトラ北部地域に割り当てられる。EU内の鉱業地域は、同様の支援を申請することができるため、このスロバキアの石炭地域の低炭素化計画は、欧州の他の石炭地域の模範となるものだという。
これまではスロバキアは国内の石炭による電力生産への補助に年間約1億ユーロを費やしていたが、政府アナリストによるスロバキアの脱炭素化のための経済調査では、炭鉱を閉鎖することで、健康、社会、経済面において最大6億500万ユーロの節約に貢献し、最も有益な気候変動対策に位置づけられている。
また、欧州委員会の共同研究センター(Joint Research Centre)の分析によると、ニトラ北部地域だけでなく、スロバキアが計画する2025年までに他の地域にある石炭火力発電所の発電および操業の終了により、CO2排出量は2025年に6.32%、2030年には7.67%の削減が見込まれている。
(石炭開発部 福水 理佳)
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