ポーランド:従来の石炭火力国有化方針を放棄、石炭火力と炭鉱の統合を検討
掲載日:2024年4月19日
4月10日付の各種メディアによると、「ポーランド政府は石炭火力発電所を特殊会社に分離、移管する計画を放棄し、炭鉱との統合を検討している」とマジェナ・チャルネツカ産業大臣は地元紙インタビューの中で言及した。
前政府の計画では、国内石炭火力発電所の資産を国家エネルギー安全保障機関(NABE)に移管、一元化し、2040年までの長期エネルギー戦略(PEP40)に沿って発電に占める石炭割合を削減しながらも、石炭資産の運用と維持を当面確保することが想定していた。これにより国内のPGE、Tauron、Eneaといった石炭関係企業がグリーン融資を呼び込みやすくなる事が期待されていた。(参考:2021年4月28日付:ポーランド:政府は、企業がグリーン投資に資金を提供できるよう、石炭発電所の国有化を目指すhttps://coal.jogmec.go.jp/info/docs/210428_5-1.html)
しかし2023年10月に行われた総選挙で与党だった法と正義(PiS)が敗北し、2023年12月、親EU路線のトゥスク政権が発足、その動向が注目されていた。
産業大臣はインタビューの中で「前政権はNABE設立に向け時間を無駄にした。石炭資産の問題は解決されず国庫や納税者の負担となるだけであり、このままではNABEプロジェクトは実施されない。代わりに石炭火力発電所と炭鉱との統合を検討している」とし、「7月に特定の炭鉱と特定の発電所を割り当てる計画を提示する必要があり、9月にはこのアイデアを実現するための法的解決策を提示する予定であり、今年中にこの調整プロセスを完了したいと考えている」と語った。
産業大臣はまだ最終的な見解は出ていない事を強調したが、この報道を受け、ワルシャワ証券取引所ではPGE、Tauron、Eneaのエネルギー企業株価が一斉に急落した。
翌日、国営電力事業を監督する国有財産省のボリス・ブドゥカ大臣は「最終的には石炭資産を国営電力事業から分離する。それは前政権が提案するような1つの巨大企業に分離するのではなく、必要な分の電力供給を行う炭鉱を組み合わせた小規模な事業体の設立を計画中である」と別の地元のインタビューに答え、市場の混乱を収めた。
前政府の計画では、国内石炭火力発電所の資産を国家エネルギー安全保障機関(NABE)に移管、一元化し、2040年までの長期エネルギー戦略(PEP40)に沿って発電に占める石炭割合を削減しながらも、石炭資産の運用と維持を当面確保することが想定していた。これにより国内のPGE、Tauron、Eneaといった石炭関係企業がグリーン融資を呼び込みやすくなる事が期待されていた。(参考:2021年4月28日付:ポーランド:政府は、企業がグリーン投資に資金を提供できるよう、石炭発電所の国有化を目指すhttps://coal.jogmec.go.jp/info/docs/210428_5-1.html)
しかし2023年10月に行われた総選挙で与党だった法と正義(PiS)が敗北し、2023年12月、親EU路線のトゥスク政権が発足、その動向が注目されていた。
産業大臣はインタビューの中で「前政権はNABE設立に向け時間を無駄にした。石炭資産の問題は解決されず国庫や納税者の負担となるだけであり、このままではNABEプロジェクトは実施されない。代わりに石炭火力発電所と炭鉱との統合を検討している」とし、「7月に特定の炭鉱と特定の発電所を割り当てる計画を提示する必要があり、9月にはこのアイデアを実現するための法的解決策を提示する予定であり、今年中にこの調整プロセスを完了したいと考えている」と語った。
産業大臣はまだ最終的な見解は出ていない事を強調したが、この報道を受け、ワルシャワ証券取引所ではPGE、Tauron、Eneaのエネルギー企業株価が一斉に急落した。
翌日、国営電力事業を監督する国有財産省のボリス・ブドゥカ大臣は「最終的には石炭資産を国営電力事業から分離する。それは前政権が提案するような1つの巨大企業に分離するのではなく、必要な分の電力供給を行う炭鉱を組み合わせた小規模な事業体の設立を計画中である」と別の地元のインタビューに答え、市場の混乱を収めた。
(石炭開発部 宮崎渉)
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