米国:米国労働省、鉱山労働者に対する結晶質シリカ粉塵規則の強化を公表
掲載日:2024年4月26日
4月16日、米国労働省鉱山安全衛生局(MSHA)は、結晶質シリカ(二酸化ケイ素)を含む粉塵(以後「シリカ粉塵」)暴露による鉱山労働者の健康被害を保護するための最終規則を発表した。最終規則では地下鉱山と地表鉱山に対し、勤務時間中(フルシフト、8時間加重平均)の吸入可能な結晶質シリカの暴露許容限度を、空気1立方メートル当たり100マイクログラム(100㎍/m3)から50㎍/m3に引き下げることとしている。シリカ濃度が25㎍に達した場合、鉱山経営者に直ちに是正措置を講じることが義務付けられる。この変更により、MSHAは2016年に工場、石油掘削現場、建設プロジェクトに対して設定した制限に準拠することになる。
地元報道によると、この規則は、Peabody Energy、Arch Resources社の運営する坑内掘り炭鉱やFreeport-McMoRan社が所有する露天掘り銅鉱山、Newmont社の金鉱山など、12,600鉱山、約289,000の鉱山労働者に適用される。
ジュリー・スー労働長官代理はメディア声明で、「シリカ粉塵が健康被害として何十年も知られているにもかかわらず、我が国の鉱山労働者がシリカ粉塵から十分な保護をせずに労働してきたことは非良心的だ」と述べ「本日、労働省はついに鉱山労働者の有毒なシリカ粉塵への曝露を減らし、予防可能な病気に苦しむことから鉱山労働者を守るために重要な措置を講じた」と述べた。
この規則はまた、鉱山経営者に対し、シリカ粉塵への過度の曝露を防止するために工学的制御を使用すること、また、粉塵のサンプリングと環境評価を使用して曝露を監視することを義務付けし、検査結果をMSHAに報告する義務を課している。なお、鉱山会社には規制変更に適応する猶予が与えられ、炭鉱は1年をかけ準備する一方、金属/非金属(MNM)鉱山は2 年間の期限を設定している。MNM 鉱山には炭鉱と違って無料の定期健康診断を提供する医療監視プログラムがなく、これらを確立する要件が課されている。
シリカは石炭粉塵の20倍の毒性があり、中央アパラチアの炭鉱労働者の間で黒色肺症例が蔓延している主な原因であることが専門家によって特定されている。MSHAの推計ではこの新規則で、生涯で約1,067人の死亡が回避され、3,746 人のシリカ関連疾患の症例が回避されるとしている。
オハイオ州、ウェストバージニア州、ペンシルベニア州、バージニア州の民主党上院議員らは新規則を歓迎し、鉱山労働者の保護に重要な役割を果たすと述べた。
米国鉱山労働者連合(UMWA)インターナショナルのセシル・E・ロバーツ会長は「現在、UMWAの焦点は鉱山会社に確実に責任を負わせることに移っており、UMWAは労働パートナーと協力して、業界内で新規制を確実に順守する努力を続けていく」とコメントした。
全米黒肺協会の副会長、フォンダ・ロビンソン氏は地元誌インタビューに対し「これは良いルールだ」と語るとともに、粉塵監視の大半を連邦鉱山検査官ではなく鉱山会社が実施することに失望しており「石炭事業者は検査をすべきではない」と語っている。
地元報道によると、この規則は、Peabody Energy、Arch Resources社の運営する坑内掘り炭鉱やFreeport-McMoRan社が所有する露天掘り銅鉱山、Newmont社の金鉱山など、12,600鉱山、約289,000の鉱山労働者に適用される。
ジュリー・スー労働長官代理はメディア声明で、「シリカ粉塵が健康被害として何十年も知られているにもかかわらず、我が国の鉱山労働者がシリカ粉塵から十分な保護をせずに労働してきたことは非良心的だ」と述べ「本日、労働省はついに鉱山労働者の有毒なシリカ粉塵への曝露を減らし、予防可能な病気に苦しむことから鉱山労働者を守るために重要な措置を講じた」と述べた。
この規則はまた、鉱山経営者に対し、シリカ粉塵への過度の曝露を防止するために工学的制御を使用すること、また、粉塵のサンプリングと環境評価を使用して曝露を監視することを義務付けし、検査結果をMSHAに報告する義務を課している。なお、鉱山会社には規制変更に適応する猶予が与えられ、炭鉱は1年をかけ準備する一方、金属/非金属(MNM)鉱山は2 年間の期限を設定している。MNM 鉱山には炭鉱と違って無料の定期健康診断を提供する医療監視プログラムがなく、これらを確立する要件が課されている。
シリカは石炭粉塵の20倍の毒性があり、中央アパラチアの炭鉱労働者の間で黒色肺症例が蔓延している主な原因であることが専門家によって特定されている。MSHAの推計ではこの新規則で、生涯で約1,067人の死亡が回避され、3,746 人のシリカ関連疾患の症例が回避されるとしている。
オハイオ州、ウェストバージニア州、ペンシルベニア州、バージニア州の民主党上院議員らは新規則を歓迎し、鉱山労働者の保護に重要な役割を果たすと述べた。
米国鉱山労働者連合(UMWA)インターナショナルのセシル・E・ロバーツ会長は「現在、UMWAの焦点は鉱山会社に確実に責任を負わせることに移っており、UMWAは労働パートナーと協力して、業界内で新規制を確実に順守する努力を続けていく」とコメントした。
全米黒肺協会の副会長、フォンダ・ロビンソン氏は地元誌インタビューに対し「これは良いルールだ」と語るとともに、粉塵監視の大半を連邦鉱山検査官ではなく鉱山会社が実施することに失望しており「石炭事業者は検査をすべきではない」と語っている。
(石炭開発部 宮崎渉)
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。