インドネシア:石炭会社、今年の生産目標達成に向け準備

掲載日:2024年5月10日

4月22日付けの地元メディアによると、多くの石炭会社は、2024年の第2四半期に入り、2024年の生産目標の達成に力を入れている。

PT Bukit Asam 社(PTBA)は、2024年は4,130万トンの生産目標(2023年の生産実績:4,190万トン)を掲げており、採掘計画を測定可能なものにして生産量を最適化しつつ、市場の変動、天候、技術的条件、地政学的要因等の外部条件にも迅速に対応を心がけるとした。PT Bumi Resources 社 (BUMI社)は、2024年は約8,000万~8,200万トンの生産目標(2023年の生産実績7,780万トン)に従い生産量を維持するとしている。PT Adaro Energy Indonesia (ADARO)は、2024年は6,500万~6,700万トン(一般炭:6,100万~6,200万トン、原料炭:490万~540万トン)の生産目標(2023年の生産実績 6,588万トン)を設定し、石炭価格の変動に留意しながら、生産目標達成とコスト効率の確実な実施に向け操業管理に集中するとした。

一方で、インドネシア主要輸出先の中国、インドの石炭供給状況が、国内石炭生産実績に影響を及ぼす可能性がある。インドネシア石炭協会(APBI)のHendra 事務局長は、「ラマダン休暇のある4月の生産量は前月の平均生産量を下回る見込みだが、それとは別にインドと中国の在庫もまだ比較的高いため、需要もやや弱含みとなっている」と語った。特に中国は2月の旧正月を見込んで昨年末に石炭を大量輸入した事もあり、今年4月まではまだ十分な石炭在庫があると予測されている。Hendra氏は「現在の石炭生産量を見ると、年末時点の生産量が10億トンを超えるかはまだわからない」とした。天候や輸出先の石炭価格がインドネシアの石炭輸出の増減に影響を及ぼすとしている。

エネルギー鉱物資源省のデータによると、2024年4月16日までの石炭生産量は2億438万トンで、目標生産量7億1,000万トンの約28%で推移している。

(石炭開発部 佐藤 譲)

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