豪州:Anglo American、BHPによる総額390億米ドルの買収提案を拒否

掲載日:2024年5月10日

4月27日付の地元メディアによると、Anglo Americanは、BHPが同社に申し出た買収提案を拒否したとしている。

BHPは、同買収提案において、Anglo Americanがロンドン証券取引所に上場する株式の全てをAnglo株1株につき自社株0.7097株で取得した後、Anglo Americanが子会社のAnglo Platinum社及びKumba社に保有する株式の全てを、Anglo Platinum社、Kumba社の株主に、各株主の株式保有率に合わせて配分するというもので、買収総額が約390億米ドル(311億英ポンド)になるとしている。

BHPは、同買収提案が実現すれば、エネルギー移行に重要であると定義される鉱物「Future Facing Commodity」の一つである銅の事業拡大が、Anglo Americanの保有する銅資産を通じて可能となるほか、BHPの鉄鉱石及び原料炭のポートフォリオが、Anglo Americanがブラジルに保有する鉄鉱石資産、及びQLD州に保有する原料炭資産を通じて補完されるなどの恩恵がBHP株主に生じるとしている。

一方、Anglo Americanは同提案について、買収提案額が自社の価値や今後の将来性を下回っていること、提案内容が不確かかつ複雑であり、実行に移すには大きなリスクが伴うことなどを理由に、役員会が全員一致で拒否することを決定したとしている。

(シドニー事務所 Whatmore 康子)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

レポート一覧

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償配布されているAdobe Readerプラグインが必要です。

ページの先頭へ