欧州:欧州委員会、ドイツの石炭火力発電からの撤退に対する最大17億5,000万ユーロの補償金を条件付きで承認
掲載日:2024年6月14日
6月4日付の欧州のメディアによると、ドイツ経済省は、ドイツ東部ラウジッツ地方のコトブス(Cottbus)市にあり、チェコの投資家EPHが所有する大手石炭企業のLEAG社が2038年までに石炭火力発電からの撤退に対する最大17億5,000万ユーロの補償金支払いについて原則的な承認を欧州委員会(European Commission: EC)から得たと発表した。
LEAG社が受け取る17億5,000万ユーロの補償金のうち、12億ユーロは撤退に伴う社会的費用および同社の露天掘り炭鉱の再利用に充てられ、残りの最大5億5,000万ユーロの補償金は、LEAG社撤退による利益損失に割り当てられるが、炭素価格、最終的な撤退段階の時期や発電所が2038年以降も利益を上げていたかどうかに応じて調整される。
ドイツはメルケル政権時に、2045年までに気候中立を達成させるための目標の一環として、2038年までに石炭火力発電所を閉鎖することを掲げ、2038年までに石炭事業が撤退することの支援としてRWE社に対し最大26億ユーロ、LEAG社に対し最大17億5,000万ユーロの補償について同意、欧州委員会はこの国家支援が正当なものかどうかを調査していた。
その後2022年、RWE社は目標年の2038年よりも早い2030年までにノルトライン=ヴェストファーレン州での褐炭採掘と発電事業からの段階的な撤退にドイツ政府と合意したため、同社は2030年までに26億ユーロの支払いを受けることになった。RWE社は2030年3月末までに褐炭火力発電所を操業停止する予定だが、ドイツ政府がバックアップとして運営を続けさせる可能性もあると認めている模様である。
LEAG社は現在、褐炭火力発電からドイツ全体の約10%に相当する7ギガワットの電力を供給している。RWE社が早期に撤退を決めたことから、LEAG社の褐炭炭鉱は、2030年以降にドイツ国内で操業している数少ない最後の炭鉱のひとつとなる。
LEAG社が受け取る17億5,000万ユーロの補償金のうち、12億ユーロは撤退に伴う社会的費用および同社の露天掘り炭鉱の再利用に充てられ、残りの最大5億5,000万ユーロの補償金は、LEAG社撤退による利益損失に割り当てられるが、炭素価格、最終的な撤退段階の時期や発電所が2038年以降も利益を上げていたかどうかに応じて調整される。
ドイツはメルケル政権時に、2045年までに気候中立を達成させるための目標の一環として、2038年までに石炭火力発電所を閉鎖することを掲げ、2038年までに石炭事業が撤退することの支援としてRWE社に対し最大26億ユーロ、LEAG社に対し最大17億5,000万ユーロの補償について同意、欧州委員会はこの国家支援が正当なものかどうかを調査していた。
その後2022年、RWE社は目標年の2038年よりも早い2030年までにノルトライン=ヴェストファーレン州での褐炭採掘と発電事業からの段階的な撤退にドイツ政府と合意したため、同社は2030年までに26億ユーロの支払いを受けることになった。RWE社は2030年3月末までに褐炭火力発電所を操業停止する予定だが、ドイツ政府がバックアップとして運営を続けさせる可能性もあると認めている模様である。
LEAG社は現在、褐炭火力発電からドイツ全体の約10%に相当する7ギガワットの電力を供給している。RWE社が早期に撤退を決めたことから、LEAG社の褐炭炭鉱は、2030年以降にドイツ国内で操業している数少ない最後の炭鉱のひとつとなる。
(石炭開発部 福水 理佳)
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