ロシア:イラン経由でインド向けにロシア国内炭を輸出する計画を公表

掲載日:2024年6月14日

6月9日付現地報道によると、ロシアは、イラン経由でインドに石炭を輸送する計画を発表した。この発表は、第27回サンクトペテルブルク国際経済フォーラムのBRICS運輸大臣会議で行われた。

ロシアのイーゴリ・レヴィティン大統領補佐官は「最初の石炭貨車は国際南北回廊(International North-South Corridor: INSTC)に沿って、イラン鉄道を利用してバンダル・アッバース港を経由、インドのムンバイ港に向けて輸送される」と述べた。

INSTCは東ルート、西ルート、中央ルートの3つのセクションで構成されており、イランとロシアは、ロシアからインドへの輸送ルートの短縮を図る目的で、カスピ海を利用するために海運分野でも協力してきた。ロシアはこれらの取り組みを通じて、イランの戦略的な位置と鉄道網を活用して効率的な石炭輸出を促進し、インドとの貿易関係を強化することを目指している。イランとインドもまたINSTC開発に関心を持っていた。インドはパキスタンを迂回してロシアへの貿易回廊を確立することに主眼を置き、今回のロシアの発表した石炭輸出は、インドの野望がある程度成功したことを示している。

イランのメフルダド・バズルパシュ道路都市開発大臣は「BRICS諸国間の輸送と交通を強化する上でINSTCが重要である」と強調した。

なお、別の記事によると、サンクトペテルブルクからムンバイ港までの貨物輸送には、現在、地中海、スエズ運河を経由して40~60日を要しているが、今回のルートでは25~30日程度に短縮されるとみられている。

(石炭開発部 宮崎 渉)

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