米国：EIA短期エネルギー見通し：2024年6月分（石炭）
掲載日：2024年6月21日
6月11日、米国エネルギー省エネルギー情報局（U.S. Energy Information Administration: EIA）が月例の短期エネルギー見通し（Short Term Energy Outlook: STEO）を発表した。6月公表のSTEOにおける米国の石炭に係る主な見通しの概要は以下の通りである。
今次STEOでは、米国は2025年末までに、発電容量にして合計15ギガワットの石炭火力発電所が閉鎖される予定であることから、全電力供給量に占める石炭由来の電力の比率は、2023年には17%であったが、2024年には16%に、そして2025年には15%に、それぞれ減少すると予測している。
石炭市場については、米国における電力需要及び天然ガス価格の予測値を、それぞれ上方修正したことと関連して、電力部門における年間の石炭消費量は、2024年には3億8,000万ショートトンを超え、2025年には3億6,000万ショートトンとなると予測する。これは、2023年の石炭消費量である3億8,700万ショートトンを下回ってはいるものの、5月のSTEOでの予測からは若干の上方修正となる。
今夏の米国における石炭消費量の拡大を受け、電力部門における石炭在庫は8月までに1億1,000万ショートトンから1億1,500万ショートトンの間まで、縮小することになると見込んでいる。在庫はその後徐々に拡大し、2024年12月には1億3,000万ショートトン、2025年12月には1億4,000万ショートトンとなると予測。だが、米国における石炭生産量は、2024年の5億1,000万ショートトンから、2025年には5億ショートトンに縮小すると予測している（図1参照）。
出所：U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook June 2024」
図1 米国の電力部門における月別石炭在庫量（単位：100万ショートトン）
3月26日に発生した、コンテナ船の衝突事故により橋が崩落し、船舶の出入りが禁止されていたメリーランド州ボルチモア港で、船舶による輸出が6月12日に再開したと当局は発表した。米国国勢調査局（U.S. Census Bureau）が、4月の原料炭輸出は引き続き好調となったとしていることを受け、今次STEOでも2024年の原料炭の輸出量を若干ながら上方修正し、5,000万ショートトンとした。米国からの全石炭輸出量は、2024年には前年比で3%増、そして先月STEOでの予測量9,400万ショートトンを上回る、1億260万ショートトンとなると予測している。同輸出量は2025年にも引き続き拡大し、前年比で3%増の1億570万ショートトンとなると見積もっている。
今次STEOでは、米国は2025年末までに、発電容量にして合計15ギガワットの石炭火力発電所が閉鎖される予定であることから、全電力供給量に占める石炭由来の電力の比率は、2023年には17%であったが、2024年には16%に、そして2025年には15%に、それぞれ減少すると予測している。
石炭市場については、米国における電力需要及び天然ガス価格の予測値を、それぞれ上方修正したことと関連して、電力部門における年間の石炭消費量は、2024年には3億8,000万ショートトンを超え、2025年には3億6,000万ショートトンとなると予測する。これは、2023年の石炭消費量である3億8,700万ショートトンを下回ってはいるものの、5月のSTEOでの予測からは若干の上方修正となる。
今夏の米国における石炭消費量の拡大を受け、電力部門における石炭在庫は8月までに1億1,000万ショートトンから1億1,500万ショートトンの間まで、縮小することになると見込んでいる。在庫はその後徐々に拡大し、2024年12月には1億3,000万ショートトン、2025年12月には1億4,000万ショートトンとなると予測。だが、米国における石炭生産量は、2024年の5億1,000万ショートトンから、2025年には5億ショートトンに縮小すると予測している（図1参照）。
出所：U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook June 2024」
図1 米国の電力部門における月別石炭在庫量（単位：100万ショートトン）
3月26日に発生した、コンテナ船の衝突事故により橋が崩落し、船舶の出入りが禁止されていたメリーランド州ボルチモア港で、船舶による輸出が6月12日に再開したと当局は発表した。米国国勢調査局（U.S. Census Bureau）が、4月の原料炭輸出は引き続き好調となったとしていることを受け、今次STEOでも2024年の原料炭の輸出量を若干ながら上方修正し、5,000万ショートトンとした。米国からの全石炭輸出量は、2024年には前年比で3%増、そして先月STEOでの予測量9,400万ショートトンを上回る、1億260万ショートトンとなると予測している。同輸出量は2025年にも引き続き拡大し、前年比で3%増の1億570万ショートトンとなると見積もっている。
（ワシントン事務所 三田部 真理）
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