マレーシア:石炭火力発電所を2044年までに完全廃止する計画を発表

掲載日:2024年7月5日

6月25日付現地報道によると、ファディラ・ユソフ副首相兼エネルギー転換・水資源変革相が「マレーシアは既存石炭火力発電所を2035年までに半減、2044年までに完全廃止する段階的廃止計画を策定した」とロンドン気候行動週間イベントにおけるハイレベル対話セッションで述べた。

今回の発表は、マレーシアが2040年以降、石炭火力発電所を新設しないという2022年の誓約に続くものである。「マレーシアは、世界の排出量の0.8%しか寄与していないにもかかわらず、2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成することを約束している。しかし気候変動を緩和する上で、我々の集団的努力が極めて重要な役割を果たすことを認識し、我々は現在国内排出量のほぼ半分を占める石炭火力発電からの脱却を意識的に進めている」と述べた。

副首相は、2050年までに再エネ容量を70%まで増加させる「国家エネルギー移行ロードマップ(National Energy Transition Roadmap: NETR)」での目標を強調し、太陽光、バイオマス、廃棄物エネルギーを含むエネルギー源を導入することを明らかにした。その他、送電網の近代化、再エネの国境を越えた取引を可能にするマレーシアエネルギー取引所(Malaysia Energy Exchange)設置について語った。

今回の2044年までに石炭火力発電所を完全に廃止するという目標は、2045年までにほぼ完全な段階的廃止を予測したNETRの予測より若干早い。

2022年8月、電力会社テナガ・ナショナル社は一部の石炭火力発電所を計画より早期に閉鎖する事を発表している。NETRでは、2020年時点の一次エネルギー総供給量(TPES)に占める石炭の割合は26.4%となっており、天然ガスが42.4%と最も多く、再エネは3.9%だった。NETRのエネルギー移行計画では、天然ガスは石炭を代替する重要な役割を果たすことになっており、2050年までにTPESの半分以上を占めることになる。

(石炭開発部 宮崎 渉)

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