インド:インド最大の鉄鋼メーカーであるJSW スチールや国営製鉄会社SAIL、7月下旬よりモンゴルから試験的に原料炭を輸入
掲載日:2024年7月19日
7月17日付けの地元メディアによると、インド政府は、豪州への過度な依存を減らすため、原料炭輸入先の多様化を図っており、事情に詳しい二つの情報筋によると、7月下旬より試験的に輸入を開始するとのことである。
ある情報筋によると、インド最大の鉄鋼メーカーであるJSWスチールや国営製鉄会社SAIL(Steel Authority of India Limited)などは、数か月にわたる交渉の末、モンゴルからの原料炭の受入態勢を整えており、JSWスチールはモンゴルから約 30,000トン、SAILは3,000~5,000トンの原料炭を輸入すると見られている。(実現すれば)JSWスチールにとって、モンゴルから8,000トンの原料炭を購入した2021年に続く2度目の出荷となる。
情報筋によると、供給される石炭は中国の港を経由してインドに届けられるが、インド当局としてはモンゴル産の原料炭の安定供給を完全に中国に依存すべきではないと考えており、インドの鉄鋼メーカーは政府に介入を求め、モンゴルから高品位原料炭を定期的に供給できるルートの確保を求めたという。
インドと中国の関係については、2020年6月にヒマラヤ国境にて過去数十年間で最大の軍事衝突が起こり、20人のインド軍兵士と少なくとも4人の中国軍兵士が死亡して以来、緊迫している。数千人の軍隊が動員されたままである。
粗鋼生産量で世界第2位のインドの製鉄所は、通常インドの年間輸入量の半分以上を占める豪州産原料炭の不安定な供給に悩まされてきた。インドの鉄鋼メーカーは、ウクライナ戦争をめぐって欧米諸国がロシアに課した制裁措置により価格が低下したロシア炭の輸入量を増やしている。
ある情報筋によると、インド最大の鉄鋼メーカーであるJSWスチールや国営製鉄会社SAIL(Steel Authority of India Limited)などは、数か月にわたる交渉の末、モンゴルからの原料炭の受入態勢を整えており、JSWスチールはモンゴルから約 30,000トン、SAILは3,000~5,000トンの原料炭を輸入すると見られている。(実現すれば)JSWスチールにとって、モンゴルから8,000トンの原料炭を購入した2021年に続く2度目の出荷となる。
情報筋によると、供給される石炭は中国の港を経由してインドに届けられるが、インド当局としてはモンゴル産の原料炭の安定供給を完全に中国に依存すべきではないと考えており、インドの鉄鋼メーカーは政府に介入を求め、モンゴルから高品位原料炭を定期的に供給できるルートの確保を求めたという。
インドと中国の関係については、2020年6月にヒマラヤ国境にて過去数十年間で最大の軍事衝突が起こり、20人のインド軍兵士と少なくとも4人の中国軍兵士が死亡して以来、緊迫している。数千人の軍隊が動員されたままである。
粗鋼生産量で世界第2位のインドの製鉄所は、通常インドの年間輸入量の半分以上を占める豪州産原料炭の不安定な供給に悩まされてきた。インドの鉄鋼メーカーは、ウクライナ戦争をめぐって欧米諸国がロシアに課した制裁措置により価格が低下したロシア炭の輸入量を増やしている。
(石炭開発部 佐藤 譲)
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