ロシア:西側諸国の制裁にもかかわらず、ロシアの石炭埋蔵量は100年以上続く

掲載日:2024年9月6日

8月23日付現地紙によると、ロシアのアレクサンドル・コズロフ天然資源環境大臣は、同国の石炭埋蔵量は2,730億トンと推定され、現在464億トンが採掘されている、これは2023年の生産量3億9,200万トンが増加しても、ロシアの石炭供給は100年以上続く埋蔵量だと強調した。

2022年のウクライナ侵攻以降西側諸国の制裁により、ロシアの石炭生産者は、しばしば大幅な値引きをした上で、輸出をアジアに振り向けることを余儀なくされていた。しかし、インドネシアやオーストラリアなどの主要産炭国との激しい価格競争により、今年の同国のアジア向け石炭輸出は危機に直面していた。

世界のエネルギー市場において、ロシアの膨大な石炭埋蔵量は諸刃の剣と言える。ロシアは石炭を必要とするアジア諸国への長期の安定供給を実現できる一方で、環境問題やクリーンエネルギーの推進と相まって、ロシアの長期的な石炭輸出には疑問も投げかけられている。

また、8月23日に米国は追加制裁を発表した。今回の制裁は金属と鉱業からの将来収入をさらに制限するものであると米国財務省は伝えている。制裁対象にはSDS Ugol Coal Mining、Mechel Mining Coal、Stroyservis Coal及びそれらのグループ会社などの石炭関連業者も含まれることとなった。

(石炭開発部 栗林 聖一)

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