英国:国内最後の石炭火力発電所が9月末に閉鎖され、G7初の石炭発電停止国となる

掲載日:2024年9月13日

9月4日付報道によると、英国に残る最後の石炭火力発電所であるラトクリフ・オン・ソア(Ratcliffe-on-Soar)発電所が6月下旬に最後の石炭搬入を受け、9月30日に閉鎖される。

1882年、ロンドンに世界初の石炭火力発電所が建設されて以降、英国は140年間石炭を発電燃料として使用し続けてきた。しかし近年、英国での石炭使用量は大幅に減少しており、20世紀初頭には発電量の95%以上を占めていたものが2023年にはわずか1%にまで落ち込んだ。現在の国内電力は天然ガスと再エネがそれぞれ約3分の1ずつ、残りを原子力とバイオエネルギーで供給している。

政府は2024年までに石炭発電を廃止するとの目標を掲げていたが、今回の閉鎖でその目標を達成し、またG7で初めて石炭による発電を停止する国となる。

1967年に運転開始したラトクリフ発電所は、200万世帯以上の電力を賄ってきて57年間で21兆杯以上の紅茶を淹れるのに十分なエネルギーを生産した。閉鎖後はゼロカーボン技術とエネルギーハブへの転換計画が進行中となっている。2023年、管理会社は同地での低炭素水素製造の意向を発表、10年後までに電解能力500MW到達を目標としている。

(石炭開発部 宮崎 渉)

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