ロシア:中国メディア、ロシア炭輸出が再び制裁を受け、石炭価格を押し上げるかもしれない

掲載日:2024年9月20日

地元メディアによると、近頃、米国は再びロシア炭輸出に対して新たな制裁を行い、国際市場の取引可能な石炭が減少し、国際石炭価格の上昇を押し上げる可能性がある。

米国財務省が先日、ロシア炭生産業者への制裁を拡大し、Evraz傘下の子会社、SDS Groupとその子会社、Stroyservis Groupとその子会社を含む多くの企業をSDNリストに追加した。影響を受ける石炭量は、ロシア炭の輸出量の約10%を占める。

継続的な制裁は、少なくともロシアの今年と来年の石炭輸出をさらに減少させると考えられる。新たな制限は、ロシアの石炭輸出量のほぼ10%に影響を与えることを加えて、これまでの40%と合わせると、現在ではロシアの石炭輸出量のほぼ50%近くが影響を受けている。ロシアの輸出業者が国際市場に供給する石炭が3,000万トン以上不足する可能性がある。

これらの継続的な制裁により、ロシアのサプライヤーはアジア太平洋地域、特に日本、韓国への石炭輸出を減らさざるを得ない。ロシアの石炭会社の年間輸出量は約2億1,000万トンであり、新たな制裁は世界の一般炭と原料炭の需給不均衡を招く可能性がある。豪州やインドネシアなどの主要輸出国は、一気に供給ギャップを埋めることが難しく、高発熱量一般炭価格や、原料炭、PCI炭、無煙炭の世界市場価格を押し上げる可能性がある。

現在、ロシアのサプライヤーは厳しい輸出課題に直面している。情報によると、ロシアの鉄道輸送力の制限により、過去数ヵ月間、北西と南部向けの海運埠頭および極東港湾へのロシア炭供給は大幅に減少し、昨年より1,000万トン以上減少しており、将来的にはますます困難になるかもしれない。

(北京事務所 鄭 佳琪)

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