コロンビア:アジア地域におけるコロンビア産石炭への需要増加でケープサイズ船需要が高まる

掲載日:2024年9月27日

9月17日付けの地元メディアによると、アジア地域におけるコロンビア産石炭への需要の高まりにより、2024年にはケープサイズ船の輸送需要が前年比3.3%増加する見通しとのことである。

欧州におけるコロンビア産石炭の需要は、化石燃料への依存度の低下と再生可能エネルギーへの移行により低迷しているが、大西洋-アジア間の長距離航路では堅調な需要により、ケープサイズ船の収益は好調である。この需要により、南ア・喜望峰を経由する船舶の航路変更が促され、さらなる海上輸送の活発化に繋がっている。

2022年にロシアとウクライナの紛争に端を発したエネルギー危機により倍増した欧州への石炭輸出は、2024年に入って53%も急減した。コロンビア産石炭輸出に占める欧州割合は、前年の26%から11%に減少した。一方、中国、韓国、日本、台湾を含むアジア地域への輸出シェアは39%に急増している。

欧州の石炭輸入は2022年エネルギー危機発生時に一時的に増加したものの、翌2023年には大幅に減少、2024年も低水準が続くと予想されている。この減少の一因として、産業部門での電力需要の減少、暖冬、再生可能エネルギーへの長期的なシフトがある。

2023年、欧州では初めて再生可能エネルギーによる発電量が化石燃料を上回り、2024年上半期には再生可能エネルギーが電力の74%を占めるに至った。石炭割合は9%にまで落ち込み、石炭離れが加速している。

一方、コロンビア産石炭のアジア地域向け輸出は、2024年1月から8月までの前年同時期比で2倍以上に増加し、昨年の同地域の年間輸入量を上回った。この変化は、世界貿易の力学が変化する中で、ケープサイズ船市況に新たなる機会をもたらしている。

(石炭開発部 佐藤 譲)

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