ロシア:ロシアはインドへの石炭輸出拡大を目指す

掲載日:2024年10月11日

10月7日付け現地紙によると、ロシアのアレクサンドル・ノヴァク副首相は、インドにおける燃料需要の高まりを受け、ロシアは同国への石炭輸出拡大に関心を持っていると述べた。

中国は依然としてロシア炭の最大の買い手ではあるものの、今後発電用一般炭の使用量を減らしていく計画であることから、2030年までにインドが中国を逆転する可能性があるとロシア政府は伝えている。

インドは記録的な国内電力需要に対応するため、ますます石炭への依存度を高めており、2024年初めの石炭火力発電による発電量の伸びは、2019年以来初めて再生可能エネルギーの伸びを上回った。

2023年度のインドの石炭生産量は、過去最高の9億9,700万トンに達し、前年度比12%増となった。なお、インドの発電量の70%以上は石炭火力に依存している。

ロシア・エネルギー省によると、インドは2023年1億7,600万トンの一般炭を輸入したが、ロシアのインド向け輸出量はその内2,620万トンで、これは2022年の2,000万トンからも増加していると言う。

ロシアは、西側諸国との対立に伴い欧州市場からの撤退を進め、すでに原油ではインド向け最大のサプライヤーとなっている。

ノヴァク副首相は、「ロシアの石炭生産者は大きな資源量を有しており、急成長するインド市場で存在感を増していくことに関心がある」と述べている。

(石炭開発部 栗林 聖一)

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