ポーランド:エネルギー各社、石炭火力発電所の一部が予想よりも早く閉鎖する可能性を指摘
掲載日:2024年10月11日
10月3日付地元報道によると、東欧諸国の石炭火力発電所の総発電容量は3,000万kWで、電力構成の約43%を占めているが、ポーランドの主要エネルギー企業のTauron、PGE、Enea、Energaは、自社の石炭火力発電所が3,000万kWの再生可能エネルギーと420万kWのガス火力発電所という安価な設備にシェアを奪われていると見ている。
産業ロビーのEuracoalによると、ポーランドの石炭火力発電所の平均運転年数は約40年だが、10年未満の発電所は全体の10%に過ぎない。
Enea社CEOのGrzegorz Kinelski氏は9日、地元の業界イベントの場で「4GWのコジエニツェ(Kozienice)発電所の古い石炭火力ユニットは、技術的にも経済的にも終焉に近づいている」と語った。コジエニツェ発電所は1970年代に建設された2.9GWの10基と、2017年運開の110GWの新型11基で構成されている。
9月27日にはポーランド最大の電力会社PGEは、採算が取れない1970年代の0.9GWのリブニク(Rybnik)石炭火力発電所を、計画より5年早い2025年末までに閉鎖すると発表した。PGEのCEOであるDariusz Marzec氏は「石炭火力発電所はより低コストのガス火力発電所に収益性を奪われている」と述べた。同社はリブニクの225MW石炭火力発電所4基を、2027年運転開始に向け882MWの複合サイクルガスタービンに置き換える予定となっている。
ポーランド送電事業者PSEのデータによると、1~8月の石炭火力発電所の発電量は4TWh減少し、ガスと再生可能エネルギーの発電量はそれぞれ1TWhと6TWh増加した。「石炭はどの予測よりも早く(市場から)押し出されている」とEneaのKinelski氏は述べた。Tauron社CEOのGrzegorz Lot氏は「同社の年間販売電力量27TWhのうち石炭火力はわずか数パーセントに過ぎず取引所で殆どの電力を購入している」と述べた。
ポーランドの電力会社は、石炭火力発電所を支援するために容量市場の補助金を利用している。それでも、合計9GWにのぼる41基の古い発電所の幾つかは、支払いが不透明なため、2025年には既に閉鎖に直面するとLot氏は言う。
EU法では、1MWhあたり550kg以上のCO2を排出する発電所に対する補助金は、原則として2025年半ばまでしか認められていない。現在、ポーランド政府はこの延長を導入する法案を作成中である。しかし、2026~2028年の補助金は3年に1度の入札で落札される可能性が高く、2026年の入札で落札された石炭火力発電所は、補助金なしで1年間稼働し続けることは「実現不可能」であるため、閉鎖されることになるだろう、とTauron CEOは付け加えた。
産業ロビーのEuracoalによると、ポーランドの石炭火力発電所の平均運転年数は約40年だが、10年未満の発電所は全体の10%に過ぎない。
Enea社CEOのGrzegorz Kinelski氏は9日、地元の業界イベントの場で「4GWのコジエニツェ(Kozienice)発電所の古い石炭火力ユニットは、技術的にも経済的にも終焉に近づいている」と語った。コジエニツェ発電所は1970年代に建設された2.9GWの10基と、2017年運開の110GWの新型11基で構成されている。
9月27日にはポーランド最大の電力会社PGEは、採算が取れない1970年代の0.9GWのリブニク(Rybnik)石炭火力発電所を、計画より5年早い2025年末までに閉鎖すると発表した。PGEのCEOであるDariusz Marzec氏は「石炭火力発電所はより低コストのガス火力発電所に収益性を奪われている」と述べた。同社はリブニクの225MW石炭火力発電所4基を、2027年運転開始に向け882MWの複合サイクルガスタービンに置き換える予定となっている。
ポーランド送電事業者PSEのデータによると、1~8月の石炭火力発電所の発電量は4TWh減少し、ガスと再生可能エネルギーの発電量はそれぞれ1TWhと6TWh増加した。「石炭はどの予測よりも早く(市場から)押し出されている」とEneaのKinelski氏は述べた。Tauron社CEOのGrzegorz Lot氏は「同社の年間販売電力量27TWhのうち石炭火力はわずか数パーセントに過ぎず取引所で殆どの電力を購入している」と述べた。
ポーランドの電力会社は、石炭火力発電所を支援するために容量市場の補助金を利用している。それでも、合計9GWにのぼる41基の古い発電所の幾つかは、支払いが不透明なため、2025年には既に閉鎖に直面するとLot氏は言う。
EU法では、1MWhあたり550kg以上のCO2を排出する発電所に対する補助金は、原則として2025年半ばまでしか認められていない。現在、ポーランド政府はこの延長を導入する法案を作成中である。しかし、2026~2028年の補助金は3年に1度の入札で落札される可能性が高く、2026年の入札で落札された石炭火力発電所は、補助金なしで1年間稼働し続けることは「実現不可能」であるため、閉鎖されることになるだろう、とTauron CEOは付け加えた。
(石炭開発部 宮崎 渉)
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。