米国:連邦政府、国内炭鉱地域でのクリーンエネルギープロジェクトに対し4億2,800万ドルの資金提供

掲載日:2024年11月1日

10月22日、米国エネルギー省(DOE)は、国内15炭鉱地域で進められている14件のクリーンエネルギープロジェクトに対し、合計4億2,800万ドルを投入すると発表した。これら14件のプロジェクトはエネルギーサプライチェーンの重大な脆弱性に対処するため、エネルギー省製造・エネルギーサプライチェーン局(MESC)により選定されたもので、全て石炭施設が廃止された地域の中小企業が主導している。

プロジェクトのうち5件は、恵まれない地域内、もしくはその近隣地域で実施され、全てのプロジェクトには炭鉱地域の経済、健康、環境への影響を最大化するために策定された地域利益計画が含まれる予定であるという。各プロジェクトは米国の労働者が国内の資材を用い製造した既存および新興技術のサプライチェーンを構築することで、米国の国家安全保障を強化する事を目指している。これらのプロジェクトは、中小企業への民間投資5億ドル以上を活用し、1,900人以上の高給で質の高い雇用を創出するという。

グランホルムエネルギー長官は「米国のクリーンエネルギーの未来への移行は、数十年にわたり我が国に電力供給してきた貴重な才能と経験に満ちたコミュニティによって形作られている。元石炭労働者のノウハウとスキルセットを活用することで、国家安全保障を強化し、先進的な技術の進歩と全国のコミュニティの再活性化を支援している」と声明で述べた。

また、ホワイトハウス国家気候変動担当顧問アリ・ザイディ氏は、この取り組みが米国のエネルギー生産の前例のない拡大、製造業の復興、そして中流階級の再建という重要な取り組みを主導していると語り、「かつて石炭に依存していたコミュニティが緊急の気候問題と米国で発明されたクリーンエネルギーソリューションを活用することで、クリーンエネルギーの復活を図っている」と述べた。

クリーンエネルギーと炭素削減技術の世界市場は、2030年までに少なくとも23兆ドルに達すると予想され、クリーンエネルギー技術の需要が高まるにつれ、これらのプロジェクトは製造業界が将来に備えるのに役立つだろうとDOEは指摘した。

受賞対象の14件は国内クリーンエネルギーサプライチェーンのニーズに対応する製品、材料の製造に重点を置いており、グリッドコンポーネント、バッテリー、低炭素材料、クリーン発電、エネルギー効率製品の5つの主要なサプライチェーンを対象としている。

(石炭開発部 宮崎 渉)

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