米国:Consol Energy社、船会社に対しボルチモアの橋崩落事故に係る1億ドル超の損害賠償訴訟を開始
掲載日:2024年11月1日
10月18日付地元報道によると、米国大手石炭会社Consol Energy社(以下Consol社)は、シンガポール船籍のコンテナ船「Dali」号の所有・管理者であるGrace Ocean社とSynergy Marine社を相手取り、1億ドルを超える損害賠償を請求する訴訟を起こした。
メリーランド州の連邦裁判所に提訴されたこの訴訟は、今年初めにボルチモアのフランシス・スコット・キー橋が崩落したことに関連して、船主らの過失を非難するものとなっている。
2024年3月26日、Dali号は橋の柱の1本に衝突し、構造物に大きな損傷を与え、これによりボルチモアにConsol社が保有するマリン・ターミナル(CMT: Consol’s Marine Terminal)は約2ヶ月間の操業停止を余儀なくされた。Consol社はこのCMT操業停止により国際市場への石炭出荷能力が制限され、深刻な経済的損失を被ったと主張した。
CMTは輸出炭の65~70%を取り扱っており、CMTの閉鎖は同社の操業に大きな打撃となる、と同社は裁判所に提出した書類の中で述べている。
Consol社の第2四半期財務報告書ではCMTの処理量は2023年同期比57%減の230万トンとなっている。また純利益と調整後利益は、2023年の2,110万ドルと2,390万ドルから、2024年同期にはそれぞれ230万ドルと520万ドルに激減した。
Dali号の責任会社であるGrace Ocean社とSynergy Marine社は、事故直後に賠償責任保険を申請していた。彼らは、1851年賠償責任制限法に基づき、賠償責任を4,370万ドルに制限しようとした。
しかし、Consol社は、この事故の影響を受けた他の企業とともに、船主の過失がこの制限を否定していると主張している。Consol社の法廷陳述書によると、同社は橋の崩落に直接関係する利益、収入、事業の損失など、多大な損害を被ったと主張している。同社はまた、これらの損失は船主と経営者による「意図的で無謀な行為」によって予測できたものだと主張している。
この訴訟はGrace Ocean社とSynergy Marine社に対する請求のリストに追加された。
メリーランド州の連邦裁判所に提訴されたこの訴訟は、今年初めにボルチモアのフランシス・スコット・キー橋が崩落したことに関連して、船主らの過失を非難するものとなっている。
2024年3月26日、Dali号は橋の柱の1本に衝突し、構造物に大きな損傷を与え、これによりボルチモアにConsol社が保有するマリン・ターミナル(CMT: Consol’s Marine Terminal)は約2ヶ月間の操業停止を余儀なくされた。Consol社はこのCMT操業停止により国際市場への石炭出荷能力が制限され、深刻な経済的損失を被ったと主張した。
CMTは輸出炭の65~70%を取り扱っており、CMTの閉鎖は同社の操業に大きな打撃となる、と同社は裁判所に提出した書類の中で述べている。
Consol社の第2四半期財務報告書ではCMTの処理量は2023年同期比57%減の230万トンとなっている。また純利益と調整後利益は、2023年の2,110万ドルと2,390万ドルから、2024年同期にはそれぞれ230万ドルと520万ドルに激減した。
Dali号の責任会社であるGrace Ocean社とSynergy Marine社は、事故直後に賠償責任保険を申請していた。彼らは、1851年賠償責任制限法に基づき、賠償責任を4,370万ドルに制限しようとした。
しかし、Consol社は、この事故の影響を受けた他の企業とともに、船主の過失がこの制限を否定していると主張している。Consol社の法廷陳述書によると、同社は橋の崩落に直接関係する利益、収入、事業の損失など、多大な損害を被ったと主張している。同社はまた、これらの損失は船主と経営者による「意図的で無謀な行為」によって予測できたものだと主張している。
この訴訟はGrace Ocean社とSynergy Marine社に対する請求のリストに追加された。
(石炭開発部 宮崎 渉)
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