インドネシア: 規格外品質の石炭供給問題でベトナムの産業貿易省(MOIT)は、インドネシアのエネルギー鉱物資源省(ESDM)に正式に調査を要請

掲載日:2024年11月22日

2024年11月8日及び11日付地元報道によると、インドネシアとベトナム間で懸案となっている規格外品質の石炭供給問題でベトナムの産業貿易省(MOIT)は、インドネシアのエネルギー鉱物資源省(ESDM)に正式に調査を要請した。

ハノイに拠点を置く石炭輸入業者Dankaが6月に発熱量4,500Kcal/kgのインドネシア産石炭6万トン(契約総額約4百万米ドル)の契約を締結したが、ベトナムのVinh Tan 4火力発電所に引き渡された際、実際の発熱量は3,744Kcal/kgに過ぎず、契約仕様に比べて17.2%不足していることが検査で判明した。これによりDankaが発電所から約2.84百万ドルのペナルティを課されただけでなく、今後の取引におけるDankaの信頼性に疑念を抱かせる結果となっている。MOITは、これらの問題が貿易慣行における潜在的な不正を示す可能性があり、Dankaだけでなく、ベトナムとインドネシアのより広範な貿易関係にも影響を与えることに懸念を表明している。MOITはESDMに対し、本件を検証するための協議を促進し、不正が証明された場合にDankaが損失を回復できるよう支援するよう要請するとともに、同様の事故が再発しないよう、石炭納入過程における厳格な品質管理対策を実施することの重要性を強調した。

これに対してインドネシア側の石炭供給者であるPT Sumber Global Energy Tbk (SGER)は、規格外の石炭を供給したという疑惑を否定している。SGERによると、本件は2024年6月21日にDankaと締結された購入契約基づき、6万トンのインドネシア石炭をMT当たり66.73米ドル、正味発熱量4,500Kcal/kgと指定されている。同契約はFOB契約であり石炭が原産港で船に積み込まれた時点で、貨物の所有権とリスクはDankaに移った。さらに、出荷前に石炭を検査するために、独立した調査会社PT Anindya Wiraputra Konsultが両当事者によって雇われた。独立機関による検査では、SGERから供給された石炭が購入契約に記載された仕様を満たしていることが確認された。

ベトナム側の主張はVinh Tan 4火力発電所に到着後、Dankaが選んだ調査員による検査によると、石炭の品質は積荷時点よりも著しく低く、NAR(Net As Received)値は3,744Kcal/kgであったとしている。

SGERは、石炭の品質に何らかの不一致があった場合、Dankaは契約書に規定されているとおりの異議申立を期間内に行う必要があったがDankaはこの手続きに従わなかったと主張しており、NAR値4,525 Kcal/kgを記録したPT Anindya Wiraputra Konsult社の結果は最終的なものであり、拘束力があるとしている。

SGERは、本件がベトナム、インドネシアの監督官等巻き込んだ国家間の問題になっていることに遺憾の意を表明した。SGERは在インドネシア・ベトナム大使館およびESDMに釈明書を送付し、Dankaの根拠のない主張を無視し、仲裁を通じて紛争を解決するよう要請した。

(ジャカルタ事務所)

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