カナダ:アルバータ州の地元住民投票で72%がGlassy Mountainプロジェクト推進を支持

掲載日:2024年12月6日

11月26日付地元記事によると、25日、アルバータ州南西部のCrowsnest Pass自治体の住民による拘束力のない住民投票を行った。内容は豪州炭鉱企業Northback社が進めるGrassy Mountain原料炭探査プロジェクトの開発と操業を支持するか、というもので、投票率は53.6%、うち72%が「賛成」票を投じた。
 
この結果に拘束力はなく、規制や法的課題には影響を及ぼさないものの、地元自治体の多くがこのプロジェクトを推進する事で経済活性化をもたらすことを期待している。
 
また同自治体長はダニエル・スミス州首相と本件について直ちに会談することを望んでいる。「我々はエネルギー大臣と会い、できれば首相とも再度会い、なぜこの炭鉱をここに建設すべきなのかを訴えるつもりだ」と述べた。
 
一方、反対派の1人は「今回の投票は社会・経済の変化に取り残されていると感じる人達による意見表明で、私は彼らに大いに同情する」と言いつつ「今や戦場は他の地域に移っており、2本の河川の下流域は現在深刻な危険にさらされている」と語り、本プロジェクトが得策ではない事を自治体や地区、食品会社等に伝えると述べた。また、カルガリー南部のハイリバー町長は先週、州首相に書簡を送り、州政府には炭鉱のより広範な影響を考慮するよう求め、プロジェクトが前進する前に、政府が地方及び州全体で追加の意見聴取を実施することを望んでいると述べた。
 
Northback社広報担当者は、今回の結果は住民の支持を得て規制承認を進める上で喜ばしいニュースだとしつつ「州政府は、一般的に、規制プロセスと資源投資の確実性を明確にする必要がある」と述べた。
 
アルバータ州エネルギー規制当局(AER)は来週12月に入って、Northback社の石炭探査計画、深部掘削許可、Grassy Mountain計画関連の技術データ収集のための一時転用計画申請について公聴会を開催する予定となっている(2024年10月25日付:アルバータ州規制当局、法的異議申立てがある中で、石炭探査に係る公聴会を続行https://coal.jogmec.go.jp/info/docs/241025_5.html参照)。

(石炭開発部 宮崎 渉)

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