南アフリカ:高等法院、新規石炭火力発電所建設について違憲判決
掲載日:2024年12月13日
12月4日付地元記事によると、南アフリカ高等法院は、1.5GWの新規石炭火力発電容量の確保を盛り込んだ政府の計画に対して起こされた訴訟について、原告の意見を支持、公衆衛生に影響を及ぼす可能性があるため、違法であるとの判決を下した。
CJ・ファン・デル・ウェストハイゼン判事は4日に発表した判決文の中で、G20の中で最も炭素集約的な経済を持つ南アフリカで、最も汚染度の高い化石燃料による発電を増やす計画は、憲法で保障された健康権を侵害していると述べた。
今回の訴訟は、政府が2019年のエネルギー計画に盛り込まれ、2020年にエネルギー省が承認した事を受け、3つの環境保護団体が、エネルギー大臣とエネルギー規制当局者、及びラマポーザ大統領を相手取って訴訟を起こされたものである。
判事は計画の決定は「違法かつ無効」であるとし、大臣と規制当局に原告への費用の支払いを命じた。
南アフリカは電力の約80%を石炭に依存し大気汚染は世界でも最悪の部類に入る。石炭による汚染は呼吸器疾患から脳卒中、心臓発作までさまざまな病気を引き起こし、国営電力会社Eskom社は、自社の排出物によって毎年数百人が死亡していることを認めている。
訴訟が最初に提起された際、マンタシェ・エネルギー大臣(当時)は、新しい発電所に石炭を使用する権利を確保することは法廷闘争の価値があると述べた。
その後、南アフリカ政府は再生可能エネルギーを追加発注し、世界の最も裕福な国々と93億ドルの公正エネルギー移行パートナーシップ(JETP)を締結して、石炭依存削減計画を推進している。
一方、マンタシェ氏や他の政治家は、クリーン電力への切り替えはエネルギー安全保障を危険にさらし、石炭の採掘と燃焼に依存する何万もの雇用を失わせる可能性があると主張している。
CJ・ファン・デル・ウェストハイゼン判事は4日に発表した判決文の中で、G20の中で最も炭素集約的な経済を持つ南アフリカで、最も汚染度の高い化石燃料による発電を増やす計画は、憲法で保障された健康権を侵害していると述べた。
今回の訴訟は、政府が2019年のエネルギー計画に盛り込まれ、2020年にエネルギー省が承認した事を受け、3つの環境保護団体が、エネルギー大臣とエネルギー規制当局者、及びラマポーザ大統領を相手取って訴訟を起こされたものである。
判事は計画の決定は「違法かつ無効」であるとし、大臣と規制当局に原告への費用の支払いを命じた。
南アフリカは電力の約80%を石炭に依存し大気汚染は世界でも最悪の部類に入る。石炭による汚染は呼吸器疾患から脳卒中、心臓発作までさまざまな病気を引き起こし、国営電力会社Eskom社は、自社の排出物によって毎年数百人が死亡していることを認めている。
訴訟が最初に提起された際、マンタシェ・エネルギー大臣(当時)は、新しい発電所に石炭を使用する権利を確保することは法廷闘争の価値があると述べた。
その後、南アフリカ政府は再生可能エネルギーを追加発注し、世界の最も裕福な国々と93億ドルの公正エネルギー移行パートナーシップ(JETP)を締結して、石炭依存削減計画を推進している。
一方、マンタシェ氏や他の政治家は、クリーン電力への切り替えはエネルギー安全保障を危険にさらし、石炭の採掘と燃焼に依存する何万もの雇用を失わせる可能性があると主張している。
(石炭開発部 宮崎 渉)
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。