米国:EIA短期エネルギー見通し:2024年11月分(石炭)
掲載日:2024年12月20日
11月13日、米国エネルギー省エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration: EIA)が月例の短期エネルギー見通し(Short Term Energy Outlook: STEO)を発表した。11月公表のSTEOにおける米国の石炭に係る主な見通しの概要は以下の通りである。
今次STEOでは、冬に向かうにつれ、米国における石炭生産量は減少すると目されており、一方で電力部門における石炭消費量の増加が予測されるため、発電事業者が保有する石炭在庫量は、11月の1億3,900万ショートトン(139 MMst)から、12月には1億3,100万ショートトン(131 MMst)に減少するとみている。
EIAは、石炭在庫が来年の石炭供給量の鍵となると見ており、2024年及び2025年の国内の電力部門における石炭消費量は、共に3億7,000万ショートトン(370 MMst)となると予測する。
今次STEOにおける米国の石炭生産量は、2025年には前年の5億500万ショートトン(505 MMst)から減少し、4億6,900万トン(469 MMst)となると予測する。生産量が減少し、消費量が概ね横ばいとなることで、石炭在庫量は2025年末までに1億100万ショートトン(101 MMst)まで減少すると見ている(図1参照)。
出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook November 2024」
図1 米国の電力使用の石炭量の推移(在庫・生産・消費別)
(単位:100万ショートトン)
尚、米国国勢調査局が発表した9月の輸出報告書ではEIAの予想を上回る石炭輸出量であった。そのため、これに基づき本STEOの米国の石炭輸出量の見通しを引き上げ、2024年の石炭の総輸出量は1億800万ショートトン(108MMst)に達するとし、2025年には1億400万ショートトン(104MMst)に減少すると予想している。この9月の輸出量が予想を上回ったのは原料炭の輸出の増加によるもので、8月にメリーランド州のボルチモア近郊にあるカーティス・ベイの石炭ターミナルで発生した、機械故障による積込み作業の中断およびこれによる生産量の激減からの回復を一部反映していると思われる。
EIAは2025年に米国の一般炭と原料炭の輸出が若干減少すると予想しており、中国政府による最近の財政刺激策とインドの継続的な経済発展によって米国の石炭輸出が大きく減少することはないとみている。一方で、貿易政策や地政学的な動向における様々な不確実性が、米国産原料炭の需要に影響を与える可能性があると述べている。
今次STEOでは、冬に向かうにつれ、米国における石炭生産量は減少すると目されており、一方で電力部門における石炭消費量の増加が予測されるため、発電事業者が保有する石炭在庫量は、11月の1億3,900万ショートトン(139 MMst)から、12月には1億3,100万ショートトン(131 MMst)に減少するとみている。
EIAは、石炭在庫が来年の石炭供給量の鍵となると見ており、2024年及び2025年の国内の電力部門における石炭消費量は、共に3億7,000万ショートトン(370 MMst)となると予測する。
今次STEOにおける米国の石炭生産量は、2025年には前年の5億500万ショートトン(505 MMst)から減少し、4億6,900万トン(469 MMst)となると予測する。生産量が減少し、消費量が概ね横ばいとなることで、石炭在庫量は2025年末までに1億100万ショートトン(101 MMst)まで減少すると見ている(図1参照)。
出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook November 2024」
図1 米国の電力使用の石炭量の推移(在庫・生産・消費別)
(単位:100万ショートトン)
尚、米国国勢調査局が発表した9月の輸出報告書ではEIAの予想を上回る石炭輸出量であった。そのため、これに基づき本STEOの米国の石炭輸出量の見通しを引き上げ、2024年の石炭の総輸出量は1億800万ショートトン(108MMst)に達するとし、2025年には1億400万ショートトン(104MMst)に減少すると予想している。この9月の輸出量が予想を上回ったのは原料炭の輸出の増加によるもので、8月にメリーランド州のボルチモア近郊にあるカーティス・ベイの石炭ターミナルで発生した、機械故障による積込み作業の中断およびこれによる生産量の激減からの回復を一部反映していると思われる。
EIAは2025年に米国の一般炭と原料炭の輸出が若干減少すると予想しており、中国政府による最近の財政刺激策とインドの継続的な経済発展によって米国の石炭輸出が大きく減少することはないとみている。一方で、貿易政策や地政学的な動向における様々な不確実性が、米国産原料炭の需要に影響を与える可能性があると述べている。
(ワシントン事務所 三田部 真理)
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