ニュージーランド:重要鉱物リストに原料炭を追加
掲載日:2025年2月21日
2月13日付報道によると、1月31日にニュージーランド政府は国家鉱物戦略と重要鉱物リストを発表し、今後10年間で鉱物輸出を2倍の30億NZドルにするという目標を明らかにした。リストには、国の経済成長と発展に不可欠とみなされる37種類の鉱物が含まれているがここに金と共に原料炭が追加されている。37種類のうち21種類の鉱物は国内で生産中又は生産の可能性があり、金と原料炭は同国の鉱物部門にとって重要であるとし、最終リストに遅れて追加された。
ジョーンズ資源大臣は「これら(金と原料炭)は合わせて我が国の鉱物輸出の80%を占め、2023年6月までの1年間で約12億NZドルの輸出収入を生み出した」と述べ、「簡単に言えば、ニュージーランドはこれら無しでは、近代的で責任ある鉱業部門を支えるスキル、機械、資源、能力を持たないだろう」と付け加えた。
なお、今回、重要鉱物リストに原料炭が含まれたことは、国の炭素排出量削減やネットゼロ目標の取り組みに反するとして国内で議論が起きている。石炭が長期的に重要鉱物として位置づけられるかは不透明であり、オークランド大学のローランド教授は「冶金業界では石炭に対するアレルギーが高まっている。経済的要請にもかかわらず、歴代の政権が石炭をリストに残し続けるとは思えない」と語っている。
ニュージーランドは、露天掘りの炭鉱から年間推定260万トンの石炭を生産し、輸出用と国内消費用として製鉄、セメント・石灰製造、食品、木材、皮革加工などの分野で利用されている。市場関係者によると、原料炭は現在、日本、インド、韓国、豪州の鉄鋼メーカーに輸出されており、輸出市場は「引き続き堅調」だという。
ジョーンズ資源大臣は「これら(金と原料炭)は合わせて我が国の鉱物輸出の80%を占め、2023年6月までの1年間で約12億NZドルの輸出収入を生み出した」と述べ、「簡単に言えば、ニュージーランドはこれら無しでは、近代的で責任ある鉱業部門を支えるスキル、機械、資源、能力を持たないだろう」と付け加えた。
なお、今回、重要鉱物リストに原料炭が含まれたことは、国の炭素排出量削減やネットゼロ目標の取り組みに反するとして国内で議論が起きている。石炭が長期的に重要鉱物として位置づけられるかは不透明であり、オークランド大学のローランド教授は「冶金業界では石炭に対するアレルギーが高まっている。経済的要請にもかかわらず、歴代の政権が石炭をリストに残し続けるとは思えない」と語っている。
ニュージーランドは、露天掘りの炭鉱から年間推定260万トンの石炭を生産し、輸出用と国内消費用として製鉄、セメント・石灰製造、食品、木材、皮革加工などの分野で利用されている。市場関係者によると、原料炭は現在、日本、インド、韓国、豪州の鉄鋼メーカーに輸出されており、輸出市場は「引き続き堅調」だという。
(石炭開発部 宮崎 渉)
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