米国:トランプ大統領、中国の経済優位性に対抗するため石炭火力発電所の認可を宣言
掲載日:2025年3月28日
3月17日付報道によると、17日、トランプ大統領は自身のSNSで中国が石炭火力による電力生産で経済的優位性を得ていると指摘し、対抗策として国内の石炭火力発電の認可を進める考えを示した。SNSには「私は政権に対し『美しいクリーンな石炭(BEAUTIFUL, CLEAN COAL)』を使ったエネルギー生産を直ちに開始することを許可する」と投稿された。
これまでもトランプ氏や政権内の要人がAI等による国内電力需要に対応するために、度々国内石炭火力発電を推進する発言を行っており、今回の発言もそれに類するものとなる。
2025年1月31日付:トランプ大統領、ダボス会議で石炭使用を推奨する発言https://coal.jogmec.go.jp/info/docs/250131_2.html参照
2025年3月7日付:エネルギー長官、米国は石炭火力発電所の閉鎖を止めるべきと発言https://coal.jogmec.go.jp/info/docs/250307_1.html参照
2025年3月21日付:米国内務長官、閉鎖された石炭火力発電所を再開すべきと発言https://coal.jogmec.go.jp/info/docs/250321_1.html参照
今回の発言が実際の米政策にどう反映されていくかは不明ながら、3月に入り関連省庁が相次いで石炭関連の規制緩和政策を打ち出している。内務省はモンタナ州の大規模炭鉱の拡張計画を承認しており、環境保護庁も石炭火力発電所からのGHG排出やその他汚染に係るバイデン政権時代の規制を見直す意向を示している。
今回の発言を受け、18日の株式市場ではPeabody社を始め米国石炭関連株式が上昇した。
なお、米国では近年、天然ガス、再生可能エネルギー増加により、エネルギー市場における石炭のシェアは減少している。米エネルギー情報局(EIA)によると2024年に全発電量に占める石炭割合は15%、今後2年間横ばいで推移すると予測し、2025年には石炭を含めた火力発電所の廃止が増加するとみられている。業界団体「Americas Power」も、環境規制に伴う採算性低下などを背景に、今後5年間に120カ所の石炭火力発電所が追加で閉鎖されるとみている。
2025年3月7日付:EIA短期エネルギー見通し: 2025年2月分(石炭)https://coal.jogmec.go.jp/info/docs/250307_3.html参照
2025年3月7日付:EIA、米国の火力発電所の廃止計画は2025年に増加の見込みhttps://coal.jogmec.go.jp/info/docs/250307_2.html参照
これまでもトランプ氏や政権内の要人がAI等による国内電力需要に対応するために、度々国内石炭火力発電を推進する発言を行っており、今回の発言もそれに類するものとなる。
2025年1月31日付:トランプ大統領、ダボス会議で石炭使用を推奨する発言https://coal.jogmec.go.jp/info/docs/250131_2.html参照
2025年3月7日付:エネルギー長官、米国は石炭火力発電所の閉鎖を止めるべきと発言https://coal.jogmec.go.jp/info/docs/250307_1.html参照
2025年3月21日付:米国内務長官、閉鎖された石炭火力発電所を再開すべきと発言https://coal.jogmec.go.jp/info/docs/250321_1.html参照
今回の発言が実際の米政策にどう反映されていくかは不明ながら、3月に入り関連省庁が相次いで石炭関連の規制緩和政策を打ち出している。内務省はモンタナ州の大規模炭鉱の拡張計画を承認しており、環境保護庁も石炭火力発電所からのGHG排出やその他汚染に係るバイデン政権時代の規制を見直す意向を示している。
今回の発言を受け、18日の株式市場ではPeabody社を始め米国石炭関連株式が上昇した。
なお、米国では近年、天然ガス、再生可能エネルギー増加により、エネルギー市場における石炭のシェアは減少している。米エネルギー情報局(EIA)によると2024年に全発電量に占める石炭割合は15%、今後2年間横ばいで推移すると予測し、2025年には石炭を含めた火力発電所の廃止が増加するとみられている。業界団体「Americas Power」も、環境規制に伴う採算性低下などを背景に、今後5年間に120カ所の石炭火力発電所が追加で閉鎖されるとみている。
2025年3月7日付:EIA短期エネルギー見通し: 2025年2月分(石炭)https://coal.jogmec.go.jp/info/docs/250307_3.html参照
2025年3月7日付:EIA、米国の火力発電所の廃止計画は2025年に増加の見込みhttps://coal.jogmec.go.jp/info/docs/250307_2.html参照
(石炭開発部 宮崎 渉)
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。