米国:ウェストバージニア州上院議会、「石炭ルネッサンス法」可決

掲載日:2025年3月28日

3月17日付地元報道によると、17日、ウェストバージニア州(WV)上院はSCR18号と呼ばれる石炭ルネッサンス法(Coal Renaissance Act)案を可決、州下院に提出された。同法案は州商務省、州炭田開発局、州公共エネルギー局、州エネルギー局に対し「石炭生産と州内の石炭消費を完全に発展させる」ための戦略を共同で策定する事を指示するもので、州が石炭産業を保護、支援する取り組みの起点となる。

上院エネルギー産業鉱業委員会委員長のローズ上院議員(共和党)は「石炭に対する戦争は何十年も続いてきた。(バイデン政権で)連邦政府が石炭とガスを廃止させるため他のエネルギーへ補助金を出そうとしたが嘘に基づいていた」と述べた。他の発電方法は「信頼性が低く、費用がかかりすぎる」ため、連邦政府の補助金がなければ経済的に実行可能ではないが、石炭火力発電はこれまでも電力を供給し、雇用を確保してきておりメリットがあり、同法は「機能するものを取戻すための方法」であると語った。

同法では以下の取組みを通じ「石炭生産と州内の石炭消費を完全に発展させる」ことを目指している。
· 新規石炭火力発電所とコークス発電所
· 新規石炭製品事業
· 石炭火力発電所の定期的なアップグレードとメンテナンスプログラムをより効率的に実行し、発電所の寿命を延ばすための石炭火力発電所向けプログラムを確立するための必要な規制規定
· 既存石炭火力発電所の早期閉鎖を防ぐために必要な合意
· 石炭火力発電事業者が民営化を利用して石炭火力発電を閉鎖することを防ぐための必要な規制規定

上院エネルギー・産業・鉱業委員会はこの取組みの進捗状況を監督する責任を負っており、四半期ごとに政府財政に関する立法合同委員会に報告するよう指示されている。

(石炭開発部 宮崎 渉)

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