ロシア: 2025年3月中旬、ロシアのエネルギー省は石炭産業向けの危機対策プログラムの草案を発表

掲載日:2025年4月11日

3月26日付けの地元メディアによると、ロシアの副首相Alexander Novak氏は記者団に対し、「我々の2025年の石炭生産量予測は4億4,000万トンであったが、下方修正されるだろう。石炭産業は現在、かなり厳しい状況にある」と述べた。

Novak氏はまた、ロシア政府が検討している石炭部門への支援策についても言及した。「これらの支援策は、輸送費、積み替え費用、貨車費用など、最近上昇している物流コストの削減を目的としている。 また、税金や社会保険料の支払いの延期に関する提案も検討中である」と述べた。また、「我々は、石炭産業に対して現在の状況下での事業継続を担保する必要がある」と付け加えた。

Novak氏によると、政府は西側諸国への石炭輸出を促進する方策も検討している。「この問題をどのように解決するか、これから検討することになる。さまざまな視点や提案がある」と、同氏は説明を求められ回答した。

Novak氏はエネルギー政策誌のコラムで引用したデータとして、2024年の石炭生産量は4億4,350万トン、輸出量は1億9,620万トンに達したと述べた。エネルギー省は以前、2025年の石炭生産量を2024年と同水準と予測していた。

ロシアの石炭会社は、2024年に1,126億ルーブル(約13.1億米ドル)の純損失を計上し、前年の3,747億ルーブル(約43.6億米ドル)の利益から一転した。

2025年3月中旬、ロシアのエネルギー省は石炭産業向けの危機対策プログラムの草案を発表した。このプログラムには、物流プロセスの改善、国際協力の展開、石炭採掘地域や単一産業の町への支援、および財政・税制面での支援に関する提案が含まれている。

エネルギー省の説明では、このプログラムの主な目的のひとつは石炭輸出の維持と石炭生産を維持するために必要な投資の誘致とのことである。

(石炭開発部 佐藤 譲)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

レポート一覧

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社から無償配布されているAdobe Readerプラグインが必要です。

ページの先頭へ