インドネシア:インドネシアの石炭輸出が低迷、エネルギー鉱物資源省が原因調査の実施へ

掲載日:2025年5月9日

2025年4月29日付地元報道によると、インドネシアの石炭輸出が低迷している件に関してエネルギー・鉱物資源省(ESDM)は原因を調査中であると発表した。インドネシア統計局の報告によると、2025年3月の石炭輸出量は3,073万トン(輸出額(19.7億米ドル)となり、2025年2月の石炭輸出量は3,082万トン(輸出額:20.8億米ドル)と比べて輸出額は5.3%減少となっている。また、更に、2024年3月と比較すると、石炭輸出額(25.6億米ドル)は18.8%減少している。石炭価格も下落し、2024年3月より76.85米ドル/トンから、2025年2月には67.60米ドル/トンに、2025年3月には64.04米ドル/トンに下落している。

ESDM局長はインドネシアの石炭輸出が減少したことを認めつつも、これはHBA政策だけでなく、供給過剰に陥っている世界市場など、他の要因も原因であるとしている。 HBAは実際の価格を反映しており市場の供給過剰が大きく関わっているとしている。2025年3月1日からインドネシアからの石炭輸出にHBAの使用を義務付けるという同国政府の決定は、インドネシアの主要市場である中国の多くの企業から受け入れられていない。 HBA自体は、以前はロイヤリティの算定基準としてのみ使用されていたが、現在は輸出および国内取引における指標として要求されている。これは、燃料商品の国内および輸出取引の価値をより国家的に管理するためである。HBAの価格決定は月2回、1日と15日に行われる。輸出の減少は、国家収入と国民経済に大きな影響を与えており、政府は、ESDMを通じて、包括的な評価を実施し、この問題を克服するための解決策を見出すことに尽力している。将来的には、石炭輸出の増加を促すための戦略的な措置がとられる予定である。このためESDM内部評価だけでなく、より現実的な世界市場の動向を反映させるために、企業関係者や国際機関を含む様々な関係者との調整も行うこととしている。

(ジャカルタ事務所)

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