南アフリカ:Transnet社、労組のストライキに直面

掲載日:2025年5月23日

5月19日付報道によると、南アフリカの国有港湾・鉄道運営会社Transnet社の統一輸送同盟労働組合(UNTU、United Transport & Allied Trade Union)は、同社との賃上げ交渉が決裂し、ストライキを示唆した。両者間で仲裁を行っているCCMA(調停・仲裁委員会)は給与改正案を同月19日中に提示するとしたが、もしこの改正案が提示されない場合、UNTUは早ければ48時間後の同月22日からストライキに入る可能性がある。

UNTUは、約4万6千人いるTransnet社の従業員のうち半数以上の2万6千人が所属する同社最大の労働組合である。UNTUは、Transnet社からの2025~26年に6%、2027年に5.5%という給与引き上げの提案を拒否し、代わりに2025年の10%引き上げを要求しているが、Transnet側は給与引き上げ率がインフレ率を上回ると主張、両者の折り合いはついていない。また、Transnet社からの提案に「契約期間中は雇用削減を行わない」とする条項が無かったことも争点となっている。

その後、5月21日付報道によると、同月20日にCCMAより、年率6%の賃金引上げを2025~27年の3年間かつ2025年は4月1日から遡及適用する案が提示された。またTransnet社はこの期間中の雇用削減を実施しないことで合意したという。

ストライキが実施されると、南アフリカの物流が停滞し、一般炭等の輸出が滞る可能性が懸念されたが、CCMAによる改正案提示により協議継続となり、同月22日からのストライキは回避された。上記改正案に対しては6月10日までに双方回答する必要がある。

(石炭開発部 小口 朋恵)

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