ロシア:プーチン大統領、石炭産業の石炭産業救済措置案に合意
掲載日:2025年5月23日
5月13日付けの地元メディアによると、ノヴァク副首相は、4月25日付でプーチン大統領に対して、ミシュスチン首相と合意した石炭産業救済措置案をまとめた書簡を提出した。一方、イスラモフエネルギー省次官は、プーチン大統領は5月7日付で同救済措置案に合意したが、これらの措置を実施に移すための作業が必要とのコメントを出しており、政府として公式決定には至っていない。
救済措置には、次のような対策が含まれる。
1. 2025年5月1日~12月31日の間、ロシア鉄道は石炭企業に対して、石炭の南・西向け鉄道輸送について12.8%の割引を付与。また同期間、以前2022年6月まで存在した、3,300キロメートル以上の石炭輸送に対する0.4の引き下げ係数(=60%の割引)、及び輸出用輸送に対する0.895の引き下げ係数を復活させる。他方、ロシア鉄道の収入減を補うため、連邦予算からの補助金が交付される。
2. ロシア鉄道とハカシア共和国の間で、2025年の東向け石炭輸出量保証に関する協定を締結(クズバスがすでに締結したのと同様)
3. VEB.RF(ロシア国営開発機構。前身はロシア対外経済銀行)を基盤に石炭産業の再編(再生の見込みがない企業)・再生・救済(困難な状況に陥った将来性ある企業)のための特別な手続きを創設する。
4. 石炭産業の一部の企業には、無担保で簡略化された手続きによる税金・保険料の納付について、1年間の猶予を与える(危機的状況が続く場合には延長の可能性あり)
5. 中国とインドに供給するロシア産炭の輸入関税の撤廃について、国際交渉を働きかける。
ロシア下院エネルギー委員会専門家会議メンバーであるトルテフ氏によれば、ハカシア共和国の石炭の90%はアジアに輸出されているが、地域内で石炭を化学製品や合成燃料に加工すれば、原料を輸出するよりも3~4倍の利益を得ることができるとのこと。「しかし、そのためには輸送における特典ではなく、イノベーション・クラスター創出のための連邦政府プログラムや加工産業への税制優遇措置、エネルギー産業や製造業での国家プロジェクトとの連携が必要となる」と述べている。
救済措置には、次のような対策が含まれる。
1. 2025年5月1日~12月31日の間、ロシア鉄道は石炭企業に対して、石炭の南・西向け鉄道輸送について12.8%の割引を付与。また同期間、以前2022年6月まで存在した、3,300キロメートル以上の石炭輸送に対する0.4の引き下げ係数(=60%の割引)、及び輸出用輸送に対する0.895の引き下げ係数を復活させる。他方、ロシア鉄道の収入減を補うため、連邦予算からの補助金が交付される。
2. ロシア鉄道とハカシア共和国の間で、2025年の東向け石炭輸出量保証に関する協定を締結(クズバスがすでに締結したのと同様)
3. VEB.RF(ロシア国営開発機構。前身はロシア対外経済銀行)を基盤に石炭産業の再編(再生の見込みがない企業)・再生・救済(困難な状況に陥った将来性ある企業)のための特別な手続きを創設する。
4. 石炭産業の一部の企業には、無担保で簡略化された手続きによる税金・保険料の納付について、1年間の猶予を与える(危機的状況が続く場合には延長の可能性あり)
5. 中国とインドに供給するロシア産炭の輸入関税の撤廃について、国際交渉を働きかける。
ロシア下院エネルギー委員会専門家会議メンバーであるトルテフ氏によれば、ハカシア共和国の石炭の90%はアジアに輸出されているが、地域内で石炭を化学製品や合成燃料に加工すれば、原料を輸出するよりも3~4倍の利益を得ることができるとのこと。「しかし、そのためには輸送における特典ではなく、イノベーション・クラスター創出のための連邦政府プログラムや加工産業への税制優遇措置、エネルギー産業や製造業での国家プロジェクトとの連携が必要となる」と述べている。
(モスクワ事務所 屋敷 真理子)
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