豪州:QLD州Janetzkiエネルギー大臣、「石炭火力発電所の寿命延長をエネルギー政策における最優先事項の一つに」

掲載日:2025年6月6日

2025年5月27日付の地元メディア報道によれば、QLD州David Janetzkiエネルギー・財務大臣は、同日にブリスベンで開催されたAustralian Energy ProducersカンファレンスでQLD州政府のエネルギー政策に関して「(エネルギー価格高騰への対策として)再生可能エネルギーとガスによるエネルギー供給量を増やすことと、州営石炭火力発電所の寿命を延長することが最優先事項である」と表明した。同大臣は、VIC州政府がエネルギー計画「Gas Substitution Roadmap」のもと、VIC州内におけるガス使用の段階的廃止を推進していることについて、「VIC州政府が経済よりもイデオロギーを優先しているからといって、QLD州がこの動きにとらわれる必要はない。QLD州では正しいことが実践されている」と批判的に言及した。

QLD州政府は、2025年末に公表予定のエネルギー5か年計画「Energy Roadmap」において、石炭火力発電を州内の重要な電源と位置づける方針を示している。また、2024年11月の選挙で政権が労働党から自由国民党に交替して以来、前政権がこれまで推進していた再生可能エネルギープロジェクトの見直しを進めており、費用総額が140億豪ドル近くに達しているBorumba揚水発電プロジェクトについては縮小の検討を進めている。加えて、2035年までに州内のエネルギーミックスに再生可能エネルギーが占める割合を80%とする従来の目標値についても、見直す方針を示している。

(シドニー事務所 Whatmore康子)

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