ロシア:Daltransugol社、処理能力を36.7%増の年3,280万トンに増強、アクセス鉄道の敷設も完了
掲載日:2025年6月13日
6月5日付けの地元メディアによると、JSCポートアライアンスが管理するワニノ港の石炭ターミナルDaltransugol社(DTU)が、処理能力を年間3,280万トンまで増強してアクセス鉄道を敷設する事業を完了した。同社のウラジーミル・ドルゴポロフ最高経営責任者(CEO)は記者団に対して「昨日、試運転証明書が正式に発行された。ターミナルの処理能力は2,400万トンから36.7%増の3,280万トンとなった。今月から操業を開始する」と語り、本格的な試運転を「今後1、2か月」で開始すると付け加えた。既報の通り、DTUはターミナルの能力をさらに年間4,000万トンまで拡張すべく取り組んでいる。現在の操業を制限している要因は積み替え能力ではなく、鉄道インフラの障壁にある。2024年にターミナルから出荷された石炭は1,450万トンにとどまり、前年比で9%の落ち込みとなった。これまでの最大量は2020年の2,320万トン。
「当社は投資利益を回収すべき時期が来ており、処理能力を増やさなければならない。建設したインフラを休ませておくわけにはいかない。FEDC(極東・北極圏開発公社)と契約した265億ルーブル(約3.38億米ドル)は借入金であり、負債の返済および事業維持のためにロシア鉄道(RZD)の輸送量を早急に増やすことが肝要だ」とCEOは述べた。
新たに公設された600mの分岐線は現在、RZDの鉄道網と同ターミナルの11kmに及ぶ民間ルートとをつないでいる。「現在試運転中の新区間によって、DTUターミナルで最終的に年間4,000万トンの石炭積み替えを実現する」、とハバロフスク地方のドミトリー知事は話している。
DTUは貨物取扱量がロシア最大級の石炭ターミナルであり、ハバロフスク地方の深いムチカ湾に位置し、シベリア横断鉄道とバイカル・アムール鉄道に接続している。港は2008年に完成し、中国やアジア諸国の最終消費者向けに石炭の積み替えが行われている。
2024年3月に創設されたポートアライアンスにはJSCムルマンスク商業海港、ムルマンスク・バルカー・ターミナル、トゥアプセ・バルカー・ターミナル、マーリー港(沿海地方ナホトカ)も含まれる。同社の5つのターミナルの貨物取扱能力は合わせて年間5,300万トン以上。これらの企業はすべて、かつて国営輸送会社に属していた。
「当社は投資利益を回収すべき時期が来ており、処理能力を増やさなければならない。建設したインフラを休ませておくわけにはいかない。FEDC(極東・北極圏開発公社)と契約した265億ルーブル(約3.38億米ドル)は借入金であり、負債の返済および事業維持のためにロシア鉄道(RZD)の輸送量を早急に増やすことが肝要だ」とCEOは述べた。
新たに公設された600mの分岐線は現在、RZDの鉄道網と同ターミナルの11kmに及ぶ民間ルートとをつないでいる。「現在試運転中の新区間によって、DTUターミナルで最終的に年間4,000万トンの石炭積み替えを実現する」、とハバロフスク地方のドミトリー知事は話している。
DTUは貨物取扱量がロシア最大級の石炭ターミナルであり、ハバロフスク地方の深いムチカ湾に位置し、シベリア横断鉄道とバイカル・アムール鉄道に接続している。港は2008年に完成し、中国やアジア諸国の最終消費者向けに石炭の積み替えが行われている。
2024年3月に創設されたポートアライアンスにはJSCムルマンスク商業海港、ムルマンスク・バルカー・ターミナル、トゥアプセ・バルカー・ターミナル、マーリー港(沿海地方ナホトカ)も含まれる。同社の5つのターミナルの貨物取扱能力は合わせて年間5,300万トン以上。これらの企業はすべて、かつて国営輸送会社に属していた。
(石炭開発部 佐藤 譲)
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