米国:EIA短期エネルギー見通し: 2025年6月分(石炭)
掲載日:2025年6月27日
6月10日、米国エネルギー省エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration: EIA)が月例の短期エネルギー見通し(Short Term Energy Outlook: STEO)を発表した。6月公表のSTEOにおける米国の石炭に係る主な見通しの概要は以下の通りである。
今次STEOでは、2025年の石炭生産量は、昨年比で概ね横這いの、5億1,200万ショートトン(512 MMst)となると予測する。2025年に1月及び2月の気温が例年よりも低くなったことで、暖房用燃料としての石炭需要が拡大し、それと同時に天然ガス価格の上昇を受けて石炭の価格競争力が高まったことで、同期間中の石炭消費量が増加し、電力部門における石炭備蓄量は減少することとなった(図1参照)。

出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook June 2025」
図1 2024年と2025年の米国の電力部門における、石炭備蓄量(単位:100万ショートトン)(左)および天然ガス発電コスト(単位:ドル/100万Btu)(右)の月別推移
電力部門における石炭備蓄量は、4月及び5月に増加したものの、冷房用電力需要が拡大する8月から9月にかけて約1億2,000万ショートトン(120 MMst)にまで減少し、その後、暖房需要が拡大するまでの間に若干増加すると予測する。
2025年前半の天然ガス価格は、平均して前年同期間を上回る水準となり、特に同傾向は国内で稼働中の石炭火力発電所の大部分を占める地域となる、中西部地域で顕著となった。当該地域における石炭価格は、大体の場合において他地域よりも低い。今次STEOでは、2025年の後半及び2026年の天然ガス価格は、昨年同期間の価格を上回る水準で推移することになると予測している(図2参照)。

出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook June 2025」
図2 2024年から2026年における米国の天然ガスと石炭の電力価格の推移および見込み(単位:ドル/100万Btu)
今次STEOでは、2025年には石炭の消費量が拡大する一方で、生産量が概ね横這いとなると目されることから、同年の電力部門における石炭備蓄量は、1億1,300万ショートトン(130 MMst)にまで減少することになると予測する。また2026年の当該備蓄量については、消費量が4億300万ショートトン(403 MMst)、生産量が4億8,000万ショートトン(480 MMst)にそれぞれ減少し、その一方で輸出量が9,800万ショートトン(98 MMst)にまで増加することで更に減少し、1億200万ショートトンとなると予測している。
今次STEOでは、2025年の石炭生産量は、昨年比で概ね横這いの、5億1,200万ショートトン(512 MMst)となると予測する。2025年に1月及び2月の気温が例年よりも低くなったことで、暖房用燃料としての石炭需要が拡大し、それと同時に天然ガス価格の上昇を受けて石炭の価格競争力が高まったことで、同期間中の石炭消費量が増加し、電力部門における石炭備蓄量は減少することとなった(図1参照)。

出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook June 2025」
図1 2024年と2025年の米国の電力部門における、石炭備蓄量(単位:100万ショートトン)(左)および天然ガス発電コスト(単位:ドル/100万Btu)(右)の月別推移
電力部門における石炭備蓄量は、4月及び5月に増加したものの、冷房用電力需要が拡大する8月から9月にかけて約1億2,000万ショートトン(120 MMst)にまで減少し、その後、暖房需要が拡大するまでの間に若干増加すると予測する。
2025年前半の天然ガス価格は、平均して前年同期間を上回る水準となり、特に同傾向は国内で稼働中の石炭火力発電所の大部分を占める地域となる、中西部地域で顕著となった。当該地域における石炭価格は、大体の場合において他地域よりも低い。今次STEOでは、2025年の後半及び2026年の天然ガス価格は、昨年同期間の価格を上回る水準で推移することになると予測している(図2参照)。

出所:U.S. EIA 「Short Term Energy Outlook June 2025」
図2 2024年から2026年における米国の天然ガスと石炭の電力価格の推移および見込み(単位:ドル/100万Btu)
今次STEOでは、2025年には石炭の消費量が拡大する一方で、生産量が概ね横這いとなると目されることから、同年の電力部門における石炭備蓄量は、1億1,300万ショートトン(130 MMst)にまで減少することになると予測する。また2026年の当該備蓄量については、消費量が4億300万ショートトン(403 MMst)、生産量が4億8,000万ショートトン(480 MMst)にそれぞれ減少し、その一方で輸出量が9,800万ショートトン(98 MMst)にまで増加することで更に減少し、1億200万ショートトンとなると予測している。
(ワシントン事務所 三田部 真理)
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