南アフリカ:Transnetは948億ランド(約7,764億円)の新規政府保証を確保した

掲載日:2025年8月8日

7月28日付け現地紙によると、南アフリカ政府が国営鉄道港湾会社のTransnetに対する948億ランド(約7,764億円)の保証を承認したと運輸省は発表した。

この新たな支援策は苦境にあえぐTransnetの経営を安定させるものであり、中期の復興計画を支援するものとされ、本年5月に発表された510億ランド(4,177億円)に加え新たに設定された保証額となる。

運輸省によると、この内、486億ランド(4,029億円)は今後5年間に到来する債務償還のためのもので、残る462億ランド(3,980億円)はTransnetの信用格付けの引き下げから同社を守るためのものであるとされる。「南アフリカ政府は、引き続き操業と財務の改善に努めるべくTransnetと協力していく。そして、民間企業の参画含め、輸送セクターの改革を進める」と運輸省関係者は語っている。

Transnetは資機材の不足、メンテナンスの遅れ、ケーブル盗難や破壊行為等により操業上の困難に直面しており、南アフリカの鉄道輸送量はここ数十年で最低のレベルに落ち込んでおり、港湾の格付けは世界最悪と言われていた。

Transnetの負債は、2022年度末の1,380億ランドから2023年度末には1,450億ランド(1兆1,876億円)に膨らんでおり、純損失も2022年度の57億ランドから2023年度は73億ランド(598億円)に拡大していた。

Transnetは今年リチャーズベイ港まで5,550万トンの石炭を輸送する見通しだが、この数量は2024年比7%の増加になると業界関係者は伝えている。

(石炭開発部 栗林 聖一)

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