インド:政府系シンクタンクNITI Aayog がコークス用炭を「重要鉱物」に含めるよう勧告

掲載日:2025年9月19日

9月11日付けの地元メディアによると、インドの鉱物セクターを強化する重要な動きとして、政府系シンクタンク NITI Aayog がコークス用炭を「重要鉱物」に含めるよう提唱したことが、業界関係者から広く支持されている。

インド商工会議所(ICC)鉱物・金属国家専門委員会の委員長である Pankaj Satija氏 は、この勧告を「正しい方向への一歩」と評価し、「政府は商業採掘に大きな力を注ぎ、新しい鉱山が生産を開始している。良い点は、NITI Aayog が重要鉱物としてコークス用炭を含めるべきだと提唱したことである。米国ではすでに含まれており、今後さらに前向きな展開が期待できる」と述べた。

NITI Aayog の勧告は、鉄鋼産業におけるコークス用炭の重要性を背景に、同鉱物を重要鉱物リストに追加することで国内生産を強化することを狙っている。提案には、特別目的会社(SPV)や新たな探鉱ライセンスといった枠組みを通じた民間セクターの参加促進、さらには資源が豊富な国々での沖合鉱物探査への投資推進などが含まれる。

同氏はまた「炭鉱労働者や石炭採掘会社のおかげで、インドはすでに10億トン規模の石炭生産を達成しており、今後も増加が続く。新しい炭鉱も続々と稼働を開始している」と述べた。

公式データによれば、2024-25年度にインドの石炭生産はすでに10億トンを突破している。国内需要の大半は国内炭で賄われているが、輸入は主にコークス用炭や高品位の一般炭に限られており、これは国内の埋蔵量不足や供給の難しさによる。

将来の石炭需要を国内供給で賄い、不要不急の石炭輸入を削減するために、石炭省は今後数年間で国内石炭生産を年率6~7%成長させ、2029-30年度までに約15億トンに達する見通しを示している。

(石炭開発部 佐藤 譲)

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